なぜ海外で大人気!? 日本では不評の車庫証明や燃費のステッカーがウケる理由

なぜアメリカで日本のステッカーは人気なのか?

 日本では、剥がしたい人も多いステッカーですが、そんななかアメリカでは日本特有のステッカーが人気になっています。なぜ、アメリカでは日本のステッカーが人気なのでしょうか。

 アメリカでは、JDMマニアと呼ばれる人達が存在します。JDMとは、「Japanese(Japan) Domestic Market」のことで、簡単にいうと「日本国内市場(仕様)」を指し、日本独特の、または日本独自の仕様や装備という意味です。

 広い意味で「日本車全体」を示す場合もあり、JDMの最たるものは「右ハンドル」です。もちろん日本以外にも左側通行(右ハンドル車)を採用している国は、イギリスやオーストラリアなど世界の30%弱あります。

 そのため、「右ハンドル=日本独自」にはなりませんが、JDMは「アメリカから見た場合に日本仕様と近いか」が問われるため、右ハンドルの日本車はマニアにとって至高のJDMなのです。

 このほか、オレンジ色のウィンカーや、(アメリカは原則として赤)、旧車(1970年年代から1980年代前半)の定番装備だった小径ハンドルや深リムホイール、テインやCUSCOの車高調、TOYOTIRE、NGK、HKSなども人気のあるJDMブランドとして認知されています。

 そして、これらの装備以外に前述した燃費基準達成車などの「公的機関が発行するステッカー」が意外な人気となっています。とくに人気なのは「車庫証明ステッカー」です。

JDMのなかでも人気の高い「車庫証明ステッカー」
JDMのなかでも人気の高い「車庫証明ステッカー」

 世界190か国で展開するECサイト「ebay」で検索すると、たくさんの「JDM Window Sticker」などと呼ばれるステッカー類が出品されています。

 なぜ、「Window」なのかというと、これらの公的ステッカーのほとんどはフロント(車検ステッカーと点検ステッカー)やリア(車庫証明や燃費基準達成車など)の窓に貼られるからです。

 完全な偽物も目立ちますが、なかには本物のように見える新品の車庫証明ステッカーが複数出品されている例もあります。

 なお、出品名には「JCI」という言葉も目立ちますが、これは、「Japan Car Inspection」つまり、日本の車検を意味します。

 車検といえば四角い車検ステッカーを思い浮かべると思いますが、アメリカでは車庫証明、12か月・24か月などの定期点検ステッカーなども「JCIステッカー」としてまとめられています。

 なお、本物の車検ステッカーは外から見たときに数字しか見えないのであまり人気がなく、点検ステッカーや車庫証明ステッカーが人気のようです。

 ebayの出品は、1枚4000円から5000円で販売されていますが、とくに、使用感があるもの(整備工場のハンコや日付などが入ったもの)の方が高人気というのが特徴といえます。

 同様に、車庫証明ステッカーでも「●●警察署」といった漢字が記載されているものは人気を博しているようです。

 そのため、車庫証明ステッカーが貼られた状態で日本から輸出される中古車は、より一層その価値を上げるともいわれています。

日本では「剥がしたい!」の声も! 海外で人気のステッカーを画像で見る(11枚)

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Writer: 加藤久美子

山口県生まれ。学生時代は某トヨタディーラーで納車引取のバイトに明け暮れ運転技術と洗車技術を磨く。日刊自動車新聞社に入社後は自動車年鑑、輸入車ガイドブックなどの編集に携わる。その後フリーランスへ。公認チャイルドシート指導員として、車と子供の安全に関する啓発活動も行う。

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