修理したら「修復歴あり」になる!? 意味がよくわからない自動車用語5選
クルマの用語のなかには、わかるようでわかりにくいものがあります。例えば「修復歴」で、少しでも直せば修復なのに、中古車の「修復歴」となると明確な基準があります。そのほかにもわかりにくい用語を5つまとめました。
よく目にするけど意味がわからない自動車用語
クルマ関連の情報を見ていると、なんとなく理解しているようで、じつのところは細かくわからない専門用語に出会った人も多いのではないでしょうか。
そこで、頻繁に目にしているものの、意味がよくわからない自動車用語5つをピックアップして解説します。
●DCT(デュアルクラッチトランスミッション)
近年、欧州車から普及が始まったトランスミッション形式で「DCT」と呼ばれるものがあります。これは「デュアルクラッチトランスミッション」の略称で、文字通り2系統のギアとクラッチを有しているATです。
一般的なATは「ステップAT」を採用していて、流体によって動力を伝えるトルクコンバーターと、複数のギアで段階的に変速するトランスミッションを組み合わせています。
DCTでは、運転操作はクラッチ操作がなくステップATと同じですが、2系統のギアとクラッチは、片方は1、3、5速など奇数段、もう片方は2、4、6速など偶数段を受け持っていて、それぞれを交互に繋ぎ変えるために変速時間を極めて短くすることが可能となっています。
また、DCTはトルクコンバーターを必要としないため、通常のATと同じ操作でMTのようなダイレクトな感覚でドライブでき、俊敏な変速によってスポーティドライビング志向のドライバーには好まれます。
また、パワーの伝達効率も優れているため、加速性能や燃費性能の向上も期待できます。
一方で、システムが複雑なため高価かつ重量増ということもあり、日本では軽自動車やコンパクトカー、ミニバンではCVTの採用が拡大しています。
●直噴
「直噴」というとディーゼルエンジンを想像する人もいるかもしれませんが、現在では主にガソリンエンジンに採用されている技術を示します。
直噴とは「筒内直接噴射」のことで、エンジンの出力向上と燃費改善を狙ったものです。
一般的なガソリンエンジンの場合は、空気と燃料の混ざった「混合気」を吸い込み、エンジン内で燃焼させ、ピストンの上下運動を回転力に変換して取り出しています。
従来は吸気ポートといわれるエンジンの空気取り入れ口内に燃料を噴射して、混合気をエンジン内部の燃焼室内に入れて燃焼させていました。
直噴ではエンジンが空気のみを吸い込み、燃焼室内で圧縮して、燃料を後から燃焼室内に直接噴射することで混合気を作り、燃焼させます。
メリットとしては、圧縮比を上げても異常燃焼が発生しづらくなることや、噴射された燃料の気化熱で燃焼室内の温度が下がって酸素濃度が高まるために、高出力と低燃費を実現できます。
とくに、ターボなどで圧縮した空気を燃焼室に送り込むことで高出力を得る過給器付きエンジンと直噴は相性がよいです。
圧縮比を高くしても異常燃焼が抑えられ、過給効果が弱い低回転域でもパワーを出せることもあり、排気量が小さいエンジンでも高出力が可能となります。いわゆる「ダウンサイジングターボ」と呼ばれるエンジンには直噴が必要不可欠です。
しかしながら直噴エンジンは、高圧に耐える燃料噴射装置や燃料ポンプなどの専用部品が必要となるため、高コスト化が避けられないことや、排気ガスの浄化装置も専用品が必要となるなど、低価格車での採用は進んでいない状況です。
●ACC(アダプティブクルーズコントロール)
以前は「ACC」といえば、エンジンを停止したままでもオーディオが動くエンジンキーの「アクセサリーポジション」のことでしたが、現在は「アダプティブクルーズコントロール」を指します。
従来から存在する、アクセルペダルの操作をしなくても設定速度でクルマが走り続けられるクルーズコントロールの進化版で、ミリ波レーダーやステレオカメラなどを利用した予防安全技術と組み合わせ、一定速度で走りながらも先行車が減速すればこちらも減速し、適切な車間距離を保つようになっています。
メーカーごとに呼称もバラバラで、ホンダは「アダプティブ・クルーズ・コントロール」、トヨタは「レーダークルーズコントロール」、日産は「インテリジェントクルーズコントロール」、スバルは「アイサイト・ツーリングアシスト」と呼んでいます。
また、呼称だけでなく実際の動作についてもメーカーによって異なっていて、先行車に続いて停止までサポートするものと、基準速度まで下がると機能を一旦停止させるものなどがあります。
購入を検討する際は機能を細かく確認した方がよいでしょう。
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