マツダ初の直6とロータリー復活できる? 2030年度新燃費基準を控えて勝算あるのか
国土交通省と経済産業省から、2030年度新燃費基準が発表されました。今後、新たな基準に向けて自動車メーカー各社はパワートレーンの開発に力を注ぎ込むことでしょう。なかでもマツダの新パワートレーン戦略に注目が集まっていますが、そこに弱点はないのでしょうか。
2030年度新燃費基準に向けパワートレーンの進化が加速する
2019年6月3日、国土交通省と経済産業省は乗用自動車の新たな燃費基準値を提示しました。
新たな燃費基準の概要としては、目標年度を2030年度とし、各メーカーの平均燃費を25.4km/Lに。さらに対象範囲を従来のガソリン車、ディーゼル車、LPG車に加え、新たに電気自動車とプラグインハイブリッド車も入ります。
実際の数値を検証すると、2016年度のメーカー平均燃費実績値19.2km/Lに対し、2030年度の基準値が25.4km/Lですから、燃費改善率は32.4%と実現に向けたハードルは高いといえます。
また、近年普及が拡大している電気自動車とプラグインハイブリッド車も対象ということで、ガソリン車などとの比較可能なかたちにするため「Well to Wheel(WtW)」で評価するとしています。
WtWは「井戸から車輪まで」という意味で、例えば燃料タンクに入っているガソリンの消費だけではなく、ガソリンがクルマに供給される前の製造過程におけるエネルギー消費も含めて評価するということです。
電力の場合は発電段階に遡ってエネルギー消費を評価して、単位は「km/L」に統一されます。なお、実際の燃費計測方法は現行の新型車でも導入されているWLTCモードとなります。
今回の燃費基準値の提示によって、一層のエネルギー消費性能の向上を促進する狙いがありますが、その手法としてはクルマ全体で考える必要があります。
空力特性の向上や、タイヤのころがり抵抗と各部の摩擦抵抗の低減、車体の軽量化、そしてパワートレーンの効率向上などです。
このなかでも最重要課題はやはりパワートレーンであり、今後、エンジンの熱効率のさらなる向上は必須で、電気自動車では新たな電池とインバーター、モーターの開発が予想されます。
そうしたなか、注目すべきはマツダの戦略であり、新たな直列6気筒エンジンの開発や「マツダ3」から搭載される「スカイアクティブX」エンジン、そしてマツダのお家芸ともいえるロータリーエンジンの復活、マイルドハイブリッドの採用と拡大が発表されています。
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