新型「スカイライン」日産ブランドで復活? 新型車なく疲弊する販売店の起爆剤なるか

日産の主力セダンモデル「スカイライン」。2017年に誕生60周年を迎えた日産を象徴する歴史のあるクルマです。しかし、2013年に登場した13代目「スカイライン」以降は、海外で展開するインフィニティ」のエンブレムを付けて販売されるようになりました。しかし、いま「スカイライン」のエンブレムに変化が噂されているのです。

スカイラインは「インフィニティ」から「日産」に戻る?

 日産の「スカイライン」は、2017年で誕生60周年を迎えるロングライフモデルです。しかし、今の「スカイライン」についているエンブレムは、日産ではなく海外で展開する上級ブランドの「インフィニティ」になっています。

 13代目「スカイライン」(2013年登場)の際に、インフィニティエンブレムが付けられましたが、クルマ業界内では「今後、再び日産に戻るのではないか」という噂が出ているのです。なぜ、「スカイライン」は度々エンブレムが変わるのでしょうか。

インフィニティのエンブレムをつける「スカイライン」

 これまで、「スカイライン」は日産の主力車種として、「スカイライン」と「GT-R」を同じモデル(別グレード)として発売していましたが、2001年に「スカイライン」は単体のモデル(V35型)として日本市場に投入されます。

「スカイライン GT-R(R34型)」が継続販売されましたが、2002年8月に排ガス規制により生産終了したことで、「スカイライン」は特色のないセダンとなったのです。

 2007年12月には、「スカイラインGT-R(R34型)」の後継モデルとして「GT-R」が誕生。その間、「スカイラインシリーズ」は、2001年の11代目「スカイライン(V35型)」から2006年には12代目「スカイライン(V36型)」とフルモデルチェンジをおこないましたが、販売台数の面では芳しくありませんでした。

 これらのイメージを払拭するべく登場したのが、インフィニティのエンブレムを付けた13代目「スカイライン(V37型)」となり、先代モデルから150万円ほど価格帯を引き上げるなど、高級車としてのポジショニングを図ります。

 日産からインフィニティに変わった理由について、当時の日産は「スカイラインは、既存の日産車とは一線を画したプレミアムブランドとして位置づけるために、日産ブランドではなくインフィニティブランドのエンブレムを付けました」とコメントしていました。

 また、開発担当者は「現行スカイラインは、海外ではインフィニティのブランドで売られています。そこで日本仕様も、プレミアムブランドであることを表現するため、海外に合わせてインフィニティのエンブレムを装着しました」と説明しています。

 既存の日産車と一線を画すためにインフィニティのエンブレムを付けた「スカイライン」に、なぜいまになって「日産に戻る」という噂が出ているのでしょうか。

 日産の販売店スタッフは「これからエンブレムがどのように変わるのかは、現時点では分かりません。それでも日本で販売するスカイラインのフロントマスクに、海外と同じインフィニティのエンブレムが装着されるのは、個人的にはおかしいと思います。従来の日産に戻した方が良いでしょう」とコメントしています。

※ ※ ※

「スカイライン」は日産車の象徴というイメージや長きにわたる伝統を考えると、インフィニティのエンブレムは似合いません。仮に、インフィニティのエンブレムを装着するのであれば、車名も海外と同じインフィニティ「Q50」に変更しないと矛盾が生じます。

 そうしたなかで、最近の日産の動向を見ると、確かにスカイラインのエンブレムが日産に戻る可能性が高いように思えます。

 カルロス・ゴーン元会長が逮捕された直後の2018年11月、日産の西川廣人社長は、従業員に対して「日本市場へ十分な投資をできなかったのは、意思決定のゆがみによるものだから、今後は正していきたい」という趣旨のコメントをしていると報道されています。

 日本市場へ十分な投資をするか、それとも海外中心かという選択は、市場戦略に基づきます。カルロス・ゴーン元会長の逮捕に至った犯罪とは関係ありません。つまり筋違いの話題ともいえますが、今後の日本市場へ十分な投資をおこなうことを示唆しているのは事実です。

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