トヨタ「ルーミー/タンク」なぜ人気? ダイハツ「トール」とほぼ同じでも販売台数に差が出る理由

同じクルマが4社から登場するOEMのメリットとは

 国内メーカーのなかでもスズキはOEMが多く、マツダのOEM元として「アルト⇒キャロル」、「ワゴンR⇒フレア」、「ハスラー⇒フレアクロスオーバー」、「スペーシア⇒フレアワゴン」というモデルが存在します。

 また、スズキ「エブリイワゴン」は、マツダ、日産、三菱というメーカーを超えたOEM元になっており、スズキ「ソリオ」は三菱「デリカD:2」としても販売されています。

数社から販売されるOEM元のスズキ「エブリイワゴン」

 なぜOEMが増えているのか、多くのメーカーにOEM車を提供しているスズキは次のように話します。

──OEMのメリットはなんでしょうか。

 提供する側としては、生産台数が増えることによる製造コストの削減や生産性の向上といったメリットがあります。逆に提供を受ける側としては、開発コスト削減や、自社にないラインナップを加えることにより、幅広いお客さまのニーズにお応えすることが可能になり、新たな顧客の拡大が期待できます。

──自社販売車種と他社に供給している車種とで、販売時に競合となってしまうことはないのでしょうか。

 販売時に競合となるケースもあるかと思いますが、それよりもコスト削減などのメリットの方が大きいと考えております。

※ ※ ※ 

 最近の自動車業界では、軽自動車の開発・製造・販売をひとつの自動車メーカーがおこなうにはビジネスとして成り立たたなくなっています。

 しかし、複数の自動車メーカーが提携すれば可能となり、日産と三菱の提携や軽商用車の幅広いOEMは、日本独自の軽自動車ビジネスにとって必要な戦略なのです。

【了】

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Writer: くるまのニュース編集部

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