ボルボ「XC90」追加されたディーゼルモデルは力強さと「最良の乗り心地」を両立
パワーと「最良かつダントツの乗り心地」が特長
運転席に座りエンジンを始動させると、ガソリンエンジンよりアイドリングの振動がやや大きく感じられます。しかし、信号待ちではエンジンが止まるため気になりません。
走り出してしまえば、振動や騒音を含めたディーゼルエンジンのネガティブな雰囲気は“ほぼ”ありません。むしろ低い回転域から太いトルクを出すため、254馬力のガソリンエンジン「T5」よりパワフルに感じるほど。
今回は街中から流れの良い一般道など様々な道路状況を走ってみましたが、終始快適でした。燃費も1リッターあたり12キロから14キロと不満無しです。
また、驚かされたのは乗り心地です。XC90から始まった新世代プラットフォームは、デビュー当初はハンドリングこそ良かったものの、乗り心地の質感で物足りない傾向。全般的に硬く、路面からのツキ上げ感も厳しい状態でした。
しかし改良が重ねられ、2年後に登場したXC60のハンドルを握った時には、乗り心地の良さにビックリしたほど。その後XC90にも改良を加えてきたのでしょう。
今回試乗したXC90 D5は、ボルボのSUV史上、最良かつダントツの乗り心地となっていました。筆者(国沢光宏)は「XC60 D4」に乗っているのですが、XC90の方が明確に良いです。
ベントレーのSUVである「ベンテイガ」と比べたって負けていません。20インチタイヤを履いているにも関わらず、です。これには少しばかり衝撃を受けました。
もうひとつ意外だったのは、ボディサイズの割りに取り回しやすかったことです。絶対的なサイズからすれば、BMW「X5」やアウディ「Q7」、ポルシェ「カイエン」と同等ですが、おそらく見切りが良いのだと思います。
今回の試乗コースのなかに入っていた山形県酒田市内(おしんの舞台になったことでも有名です)でも、あまり苦になりませんでした。
このクラスのSUVで迷った場合、D5を搭載したXC90は「燃費が良くパワフルなディーゼルエンジンを搭載し」、「万全の安全デバイスを備え」、かつ「3列目シートを装備」といった美点を持ちます。
「ど~ん」という押し出し感のあるクルマを考えているなら、相当魅力的なモデルとなりました。試乗すれば、きっと乗り心地の上質感に唸ると思います。
【了】
Writer: 国沢光宏
Yahooで検索すると最初に出てくる自動車評論家。新車レポートから上手な維持管理の方法まで、自動車関連を全てカバー。ベストカー、カートップ、エンジンなど自動車雑誌への寄稿や、ネットメディアを中心に活動をしている。2010年タイ国ラリー選手権シリーズチャンピオン。
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