無いと困る! 20年でGS半減? クルマに必要な交通インフラが減っていく理由とは

需要の減少に加え施設の老巧化も減少の要因か

 ガソリンスタンドが減少したほかの理由としては、施設の老巧化もあります。

数が少なくなりつつあるガソリンスタンド(※写真はイメージ)

 ガソリンスタンドは、クルマの需要が増えていた1960年代の中盤から1990年代にかけて、多く造られています。そのため最近は、地下に埋蔵されている貯蔵タンクが腐食してしまい、燃料が流出する事故も生じています。これを受けて消防法が改訂され、流出防止対策が義務付けられました。

 問題はその対策にかかる費用で、500万円以上必要だといわれています。補助金制度もありますが、ガソリンスタンドの業績が悪化しているうえにこれらの出費まで加わると、経営が難しくなる店舗もあるでしょう。

 今は人口が都市部に集まっていることから、その反動で人口が減少した地域のガソリンスタンドが廃業を強いられている現実もあります。「後を継いでくれる人がいない」といった悩みを抱えているガソリンスタンドもあるでしょう。

 これからは少子高齢化が進み、需要はさらに減るわけですから、前向きな展望を持ちにくいのが実情です。

 問題は、クルマユーザーの利便性です。自宅付近のガソリンスタンドがなくなれば、当然ですが非常に困ります。とくにクルマを通院や近場の買い物に使う高齢者の場合、近所のガソリンスタンドがなくなって遠い店舗まで行って給油する状態になると、余計な燃料を使うことになります。

 ガソリンスタンドは、社会にとって不可欠のインフラとして考える必要がありそうです。

【了】

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Writer: 渡辺陽一郎

1961年生まれ。自動車月刊誌の編集長を約10年務めた後、2001年にフリーランスのカーライフ・ジャーナリストに転向。「読者の皆さまに怪我を負わせない、損をさせないこと」が最も重要なテーマと考え、クルマを使う人達の視点から、問題提起のある執筆を得意とする。

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