なぜ「スカイライン」から? 日産が電脳化で先手! 高速道で手放し運転可能「プロパイロット2.0」とは

プロパイロット作動時の責任はあくまでもドライバーにある

 運転支援システムの話題になると、「手放し運転やわき見を助長する」、「事故を起こしたら誰が責任を取るのか?」という意見が出ますが、プロパイロット2.0は自動運転レベルでいえば「レベル2とレベル3の間」であり、運転する上で全ての責任はドライバーにあります。

 そのため同一車線内のハンズオフもドライバーが常に前方に注意し、さまざまな状況に応じてステアリングを操作できる状態である必要があるのです。

 車内には、ドライバーが前方を注視しているか監視するためのドライバーモニターカメラも装備されています。ドライバーがわき見をした場合、音/表示を用いて何度も注意を行ない(回数が増すに連れて警報度合が上がる)、それでもダメな場合は緊急停止する仕組みになっています。

 筆者(山本シンヤ)は、東名/新東名を含む首都圏の高速道路を日々活用していますが、2018年から2019年にかけて何度も偽装されたスカイラインの姿を目撃しました。今思うとそれはプロパイロット2.0の実走テストだったのでしょう。

2019年秋発売予定の新型「スカイライン」のテスト車

 ちなみに昨今、新たな高速道路の開通が増えていますが、地図データをそれらに対応させるために年に数回のアップデートを予定しているそうです。

 しかし、道路環境は時々刻々と変わるため、クルマ側でのセンシングも必要となります。プロパイット2.0では3つの画角(150/54/28度)を持つトライカムとAVMカメラ×4の「7つのカメラ」、フロントとサイド×4の「5個のレーダー」、そして「12個のソナー」で白線/標識/周辺車両などを検知。

 これらを組み合わせることで、車両の周囲360度の情報と道路上の正確な位置、そして周囲の車両の複雑な動きをリアルタイムで把握しています。

 なお、プロパイロット2.0は日本のスカイラインへの採用を皮切りに水平展開もおこなっていくそうです。具体的な車種は出ませんでしたが、中畔さんは「これから3年間でコアモデルのほとんどをリニューアルします。そこにはプロパイロット2.0を含め、新しいニッサン・インテリジェント・モビリティの機能を入れていきます」と語りました。

 また、確定はしていませんが海外展開も計画されているそうです。

【了】

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Writer: 山本シンヤ

自動車メーカー商品企画、チューニングメーカー開発を経て、自動車メディアの世界に転職。2013年に独立し、「造り手」と「使い手」の両方の想いを伝えるために「自動車研究家」を名乗って活動中。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。

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