中古車購入が増加!新車ではなく中古車が選ばれる理由とは

2016年から2018年のあいだで、中古車の市場規模が増加している傾向があります。それはなぜなのでしょうか? カーセンサーが独自に調査した結果を発表しました。

新車ではなく良質な中古車を選ぶようになってきた

 株式会社リクルートマーケティングパートナーズが運営する「カーセンサー」は、中古車の購入実態を把握するため、「カーセンサー中古車購入実態調査2018」を沖縄県をのぞく全国で実施し、その調査結果を発表しました。

FLEX株式会社が販売する中古車「Renoca」

 発表された資料によると、2018年の中古車購入にかけられた費用は3兆4396億円となっており、前年から約4000億円増加したとのことです。購入台数は261.9万台と推計され、中古車購入単価の平均は131万3000円で、前年から10万4000円が増加しています。購入単価が増加した価格帯は200万円から400万円の間が主で、その価格帯の中古車を購入した人が増えたことが市場規模増加の主な要因です。

「1年以内に中古車購入検討をした人」は2016年の5.4%から2018年は5.8%にまで増加。「1年より前に中古車購入検討をした人」は2016年の37.9%から2018年は39.8%となっており、それぞれのパーセンテージが上昇した結果、中古車購入検討経験者が年々増加した結果になっています。

 新車の購入を検討しなかった理由については、「最終的な総支払額に予算が足りない・なかったから」が2016年の19%から2018年では19.8%まで増加し、この質問を追加した2016年の調査開始から最も上昇しています。次いで「中古車を購入した・したくなったから」も2016年の4.5%から2018年では5.2%まで上昇しています。

 リクルート自動車総研所長 、兼カーセンサー編集長の西村泰宏氏による見解では、「中古車市場規模(推計)増加の要因は予算200万円から400万円で新車購入を検討していた層が中古車を購入し、中古車購入単価の平均を高めた結果」と推察しています。

 また、中古車販売店大手の株式会社FLEXの荒氏は以下のようにコメントしています。

「弊社はランドクルーザーやハイエースの中古車・新車を主に扱っていますが、新車ではなくあえて中古車を選ぶ方が増えてきています。背景としては、クルマにより個性を求める方が増えたことによるものです。

 クルマに個性を与える手法としては『カスタマイズ』が一般的ですが、新車からカスタムを加えるとかなりのコストがかかってしまいます。しかし、中古車をベースにカスタムする、もしくは既にカスタマイズされた中古車を買うことで、リーズナブルな価格で自分らしいクルマに乗ることができます。

 弊社では『Renoca』というリノベーション済みのクルマも扱っておりますが、内外装も新車と遜色なく、それでいて個性的に仕上がっています。個性あふれるクルマを求める方はこのようなクルマがニーズに合うことでしょう。これからもっと中古車の市場は拡大していくかもしれません」

※ ※ ※

 中古車検討への心理的ハードルが年々低下していくなか、新車価格は上昇傾向にあります。もともと新車購入を検討していた層が「個性的なクルマに乗りたい」「カスタマイズ済みのクルマがいい」または「予算が足りない」「クルマの選択肢を増やしたい」といった理由で最終的に中古車を購入しているケースが増えているようです。

【了】

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