なぜ道幅狭く感じる? クルマの巨大化と道幅に事故発生の要因が存在
最近のクルマは大きくなった、と感じる人は多いのではないでしょうか。実際のところ、数十年前のクルマと比較するとたしかに大きくなっています。道幅はすぐには変わらないため、歩行者事故の遠因ともいえそうです。なぜ巨大化が止まらないのでしょうか。
クルマがどんどん大きくなったのは「気のせい」ではない
最近発売される新型車には、大きく立派な見た目のクルマが多く存在します。コンパクトカーであっても、ミニバンのようなデザインを持つクルマが少なくありません。
じつは大きく感じるのはユーザーの勘違いではなく、これまでの数十年間で本当に大きくなっています。道路の幅は変わらないのに、なぜクルマの幅が大きくなっているのでしょうか。
一般的に乗用車のフルモデルチェンジは5年から6年ほどですが、その度にクルマのサイズが大きくなる、といった印象を持っているユーザーも多いのではないでしょうか。
1960年代から1970年代ごろのクルマと現在のクルマを実際に並べてみると、大きさの差がはっきり分かります。例として、トヨタのロングセラー車である「カローラ」で見てみます。
1966年から1970年に発売された初代カローラのボディ寸法は、全長3845㎜×全幅1485㎜×全高1380㎜です。それに対して、2018年に登場した最新の「カローラスポーツ」は、全長4375㎜×全幅1790㎜×全高1480㎜。初代モデルと比べると、長さではなんと500mm、幅でも300mmも大きくなっています。
ちなみに、初代カローラと同じ時期のトヨタ最上級モデル「クラウン」が全長4665㎜×全幅1690㎜×全高1445㎜です。当時のフラッグシップモデルと比べても100mm車幅が広いということが、クルマの大型化の現実なのです。
また、こうした数値上だけの話ではなく、新旧のクルマは大きさ感の違いも大きいです。
新旧カローラを実車で比べると、ボディの容積がまったく異なります。初代カローラは前後と左右のガラス部分が大きく、全体的にボディの線は細めとなっています。一方、最新のカローラは全体的に肉厚なデザインで、ややポッチャリした印象を受ける人もいるのではないでしょうか。
ボディのポッチャリ感の主な理由は、衝突安全に対する規制をクリアするためです。車体の内部構造、そしてボディの外板設計による影響が大きいといえます。
また空気力学の観点からは、ボディ全体の形状がスムーズなラインとなることでポッチャリとした雰囲気が出てきます。昔のクルマが直線的なデザインだったものが、より曲面を強めるデザインに変わってきたのです。
どんどんサイズアップしていく最近のクルマですが、大きくなっても車重が重くならないための工夫が施されています。材料の軽量化や車体構造の適正化を行い、燃費への影響を最小限に食い止めているのです。
こうしたクルマの大型化について、大手自動車メーカーの商品企画担当部門の担当者は「衝突対応などはもちろんあるが、車内の空間をより大きくして快適性を上げるため、結果的にクルマが大きくなった」と、これまでの経緯を振り返っています。
グローバル化だかプラットフォームの共通化だか、メーカーの都合ばかりで、ユーザに負担を強いる。一方で日本の道路事情や駐車場事情は改善しない。車道は広がるどころか車線幅を削って無駄に広い歩道ばかり造っている。雨の休日とかショッピングセンター周りの交通マヒで、救急車が通れるスペースは無く、脳梗塞や心筋梗塞とかやってしまうと、助からないと思われ。