なぜご当地ルール誕生? 全国に点在する「ローカル交通マナー」の実情とは
まだまだ存在「ご当地交通ルール」
●「山梨ルール」
山梨県もまた、右折に命をかけるあまり「右折優先」という県内独自ルールを作ってしまった地域です。交通ルールでは「左折優先」であり、教習所でももちろんそのように習うのですが、山梨県では逆に、右折が優先です。
そのため、右折するクルマは対向車がいようがいなかろうが減速せず右折してきます。速度超過もまた、山梨ルールの特徴です。
だいたい法定速度よりも20kmから30kmほどオーバーして走っているため、山道などの一車線しかないところでは、法定速度を守って運転しているドライバーがいたら後ろからピッタリくっついて煽られるという無茶ぶり。
さらに、歩行者が横断歩道で待っていようとお構いなしに止まらず走るクルマ優先社会です。
●「播磨道交法」
「播磨道交法」とは、兵庫県の播磨地方における交通ルール・マナーの悪さを神戸新聞が道交法をもじった文体にまとめたもので、第1章から第3章の3章、10条から構成されています。
[第一章:交差点]
1:先に入ったクルマが優先。右折時に対向車が直進して来ても待たない
2:右折時、対向車が左折でも待っていると後続車にクラクションを鳴らされるので、一緒に曲がる
3:自転車や歩行者は、クルマが通らない限り赤信号も青信号とみなしてよし
4:右左折時、横断歩道を人が歩いていても、通れるスペースがあれば通ってよし
5:右折は、右折信号が消えて赤になる数秒間に潜り込むべし
[第二章:歩道・車線変更]
1:信号のない横断歩道では、歩行者よりクルマ優先
2:車線変更時、狭い間隔でもスペースさえあれば割り込みOK
3:ウインカーは曲がると同時に出す
[第三章:附則]
1:バスが停留所から車線に戻るときもクルマ優先
2:前に人がいたら、クラクションで道をあけさせる
「播磨道交法」は、これまでの「名古屋走り」「松本走り」「山梨ルール」の総まとめといった感じです。さすがにローカルルールで道交法風の文章が作れてしまうだけのことはあります。
●伊予の早曲がり
最後に紹介するのは愛媛県の「伊予の早曲がり」。愛媛県民は、全体的におっとり穏やかといわれていますが、ハンドルを持たせると性格が変わるともいわれています。
その理由が「右折時に直進車よりも早く急発進して右折すること」。右折車と直進車の間で事故が起こりやすいため、非常に問題となっています。
※ ※ ※
「ご当地交通ルール」は、単に他の土地から来た人がわかりづらいというだけでなく、強引な右折やクルマ優先、無理矢理な割り込みや車線変更・車線またぎなど、非常に事故を引き起こしやすいものでもあります。
長年続いてきた習慣を変えるのは簡単なことではありませんが、交通ルールは必ず守りましょう。
【了】
三重県だと”伊勢時間”と言って約束した時間より30分遅れるのがデフォなんだけど、スピード違反,
信号無視は毎度のことだし、国道23号線だと公道バトルをする輩は多いからなぁ…。
その地方独自の法律に違反した身勝手な走り方を、あたかも土地柄による良いマナーでもあるような印象を与える「ご当地ルール」などと称し、単なる危険行為の数々を紹介しているこの記事は、適当な記事とは思いません。