ランボルギーニのSUV「ウルス」スーパーSUVは普段使いもできる最強モデルだった

意外と普通のクルマ? いや、ウルスは紛れもなくスーパーカーだ!

Tamburo ドライブモード・セレクター

 ウルスは路面の状況によって走行特性を変えられる5つのモードをセンターコンソールに備えています。「Tamburo ドライブモード・セレクター」と呼ばれたセレクターに備わったモード、「STRADA」「SPORT」「CORSA」はオンロードで使用するモードで、「TERAA」「NEVE」は砂地や雪道、悪路で使用するモードです。今回はオンロードのみの試乗ですので、TERAA、NEVEに入れる機会はありませんでしたが、その他のモードを試すことができました。

 試乗車のタイヤはフロント285/45R21、リアは315/40R21の特大サイズで、専用に開発されたピレリ「P ZERO」です。

 まずはSTRADAモード。これは通常の走行に使用するモードで、出力特性や駆動特性などがマイルドなセッティングです。ウルスはメーカーのキャラクター上スポーツ寄りのクルマなので、STRADAモードでもサスペンションは硬めの味付けですが、タイヤサイズを考えれば十分に快適です。これだけ太いタイヤであるにも関わらず、ステアリングが轍に取られてふらつくような場面もありませんでした。

 このモードではアクセル操作に対して気を使うことはありません。2250rpmから850Nmを発生するエンジンなので、高回転まで回す必要もなく急な坂道でも力強く登ってくれますから、運転があまり得意ではない方や、小柄な女性などでも普通に乗れてしまうでしょう。

 次にSPORTモードです。このモードに入れた途端、アイドリングでも排気音が大きくなったことがよく分かります。また車高が下がり、安定性向上と操作に対しての機敏性が増します。走り出すと図太い排気音が響き、「ランボルギーニに乗っている」という気分を盛り上げてくれます。

 サスペンションのダンピングが締め上げられるのと同時にステアリングの特性もクイックになるので、SUVのであることを全く感じさせません。乾燥重量が2200キロあるウルスですが、体感では1600から1700キロくらいの車重に感じます。変速特性も高回転寄りになるので、下手なスポーツカーではまるで太刀打ちできないパフォーマンスを発揮してくれます。

 最後にCORSAモードです。このモードではトラクションコントロールや一部の安全機能が制限され、サーキット走行などで威力を発揮します。このモードに入れた途端、V型8気筒4リッターのツインターボエンジンが、眠りから覚めたかのように獰猛なサウンドを放ち始めます。

 走行中の回転数も常に3000rpm以上に保たれ、どの速度域からアクセルを踏んでもシートバックに強く身体が押し付けられる加速を体感できます。また、アクセルオフ時のブリッピングやアフターファイアも激しく、ランボルギーニを操っている感覚を存分に堪能できます。

 一般道や首都高では路面のギャップを拾い快適とは言い難いものがありますが、それが逆にレーシングカーに乗っているかようにスパルタンな印象を与えてくれるので、気分を高めてくれます。鋭いステアリングレスポンスに加え、ロールが抑えられたサスペンションによって、巨体からは考えられない俊敏性を発揮してくれます。

 最高出力650馬力、最大トルク850Nmを発生し、8速ATを介して駆動するウルスのパフォーマンスは、0-100キロ加速は3.6秒、0-200キロ加速は12.8秒、最高速度は305キロに達します。この性能を受け止めるブレーキは市販車最大サイズのカーボンセラミックディスクで、フロント440mm、リアは370mmの巨大サイズ。フロントキャリパーにはアルミニウム製の10ピストン、リアには鋳鉄製の6ピストンが採用されており、ブレーキング時の剛性感や効き、コントロール性も素晴らしいものがあります。

 以上のように、スーパーカーとしての圧倒的なパフォーマンスを持ちながら、ファーストカーとしても充分使えてしまうのがウルスの魅力です。2018年のランボルギーニに過去最高の利益をもたらした理由もよく分かります。

 試乗車にはさまざまなオプションが付いていたので、消費税込みで約3300万円というプライスが付いていましたが、ベース車は消費税込みで約2800万円からとなっています。AWDのウラカンであれば消費税込みで約3000万円からですから、ウルスはバリュープライスといっても過言ではないでしょう。

「ランボルギーニには乗りたいけど、普通に使えないクルマでは困る」このように思っている方が居たら、迷わずウルスを購入してしまって大丈夫です。
 
【了】

ランボルギーニ「ウルス」を隅々まで見る!(画像59枚)

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