渋滞回避どうする? GWの高速道路を上手に走るための5つのコツ
史上最大の大型連休となった2019年のゴールデンウィーク。高速道路などでは、大規模な渋滞が各所で予想されますが、ストレスなく上手に走るにはどうしたら良いのでしょうか。
連休時には慣れないドライバーも増加
史上最大となる、最長で10連休にもなるゴールデンウィークがもうすぐやってきます。ゴールデンウィークなどの長期休暇は、行楽や帰省などで慣れない高速道路を運転するドライバーもいることでしょう。
今回は、高速道路を走り慣れていないドライバーに知ってほしい、そして走り慣れていてもあらためて確認しておきたい、高速道路を上手に走るための5つのコツをお伝えしましょう。
●合流はしっかり加速して、前のクルマの後ろに入る感覚で
高速道路を走るにあたり、慣れていないドライバーにとって難しいといわれるのが本線への合流。高い速度で本線を走っているクルマのあいだへ入るのが怖いという気持ちはわかります。
ここで知っておきたいポイントは3つ。まずはしっかりと加速すること。合流をスムーズに行うコツは、合流される側とする側の速度差をなくすことですが、日本の多くのドライバーはしっかり加速できておらず、それが流れを乱しています。
そのため、合流時にはアクセルを深く踏み込んでしっかり加速。走行車線を走るクルマと同じ速度まであげると、スムーズに合流できます。加速が足りないよりは、加速しすぎくらいのほうが合流するタイミングでの速度調整は楽です。
ポイントの二つ目は、合流車線をしっかり活用すること。ときどき、合流車線をほとんど使わずにすぐ本線へ入るクルマを見かけますが、これは厳禁。合流車線でしっかり加速するのに加えて、できるだけ長い距離を本線と並行して走ることで周囲の状況を確認しやすくなります。
三つ目のポイントは、後方を走るクルマの前に入ろうとせず、前を走るクルマの後ろに合流する感覚を持つこと。前方を走るクルマの後ろにスッと合流すれば速度調整がしやすく、後方を走るクルマとの間隔を最大限に空けられるのでスムーズです。
●あおり運転をされないためにも、速い後続車には道を譲る
クルマを運転していると、追い越し車線を周囲の流れよりも遅い速度で走るクルマを見かけます。しかし、それは絶対にやめるべきです。右側車線を走っている際に後方から速い車両が来たら、道を譲りましょう。
最大の理由は、交通のスムーズな流れを阻害して道路混雑や事故の原因となるからですが、もうひとつ理由があります。それが「あおり運転」されるのを防ぐため。
あおり運転は、後方から速い速度で来たクルマが、追い越し車線に居座って通せんぼをするクルマに対して行うことが多いのです。そのため、速い後続車には積極的に道を譲ってトラブルを避けましょう。
意外かもしれませんが、後方から追いつかれた場合には道を譲ることが日本の道路交通法でも定められているので、道を譲らないのは違法です(他の車両に追いつかれた車両の義務[道交法27条])
交通先進国といわれる西欧などにいくと、このあたりのマナーが徹底されていることに驚きます。
まだまだ、「あるぞ!」高速道を上手く走る方法
●走るのは左車線が基本。渋滞も左のほうがはやい
高速道路を走る際、どの車線を選択しますか。正解は左車線です。3車線の高速道路であっても、一番左の車線が混雑している状況や追い越し時を除けば中央ではなく左側の車線を通行しましょう。
実は、左側通行の道路には「キープレフト(左側を走れ)」という原則があり、法規でも左側の車線を走ることが定められています(一番右の通行帯は右折や追越し以外では走行してはならない[道交法20条])。
その目的は、道路の流れを整えること。右側車線を追い越し車線とすることで、道路がスムーズかつ最大限有効に使えるように考えられているのです。
もし、左側車線が空いているのに右側車線をゆっくり走るクルマがいると、後方から追いついてくるクルマの流れを遮ってしまうほか、左側追い越しなどを誘発して事故の原因となります。
できるだけ左側車線を走る最大の理由は、事故の原因となったり、事故に巻き込まれるのを防ぐための自己防衛策なのです。
また、渋滞時は「右車線のほうがはやく進むはずだ」と右車線に車両が集中しがちなので、それを逆手にとって左側車線のほうが早く進む可能性があります。
●合流は1台ずつ交互で。結局それがお互いのため
ゴールデンウィークの高速道路は渋滞も多く発生します。そこで、覚えておきたいのが渋滞時の合流マナー。ときどき「絶対に入れない」とばかりに前にクルマが入るのをブロックする心ない人がいますが、もちろんそれはよくありません。
1台ずつ交互に合流するのがもっともスマートかつ効率がいいのです。そのため、合流時は自分の前に1台をいれるよう徹底しましょう。ちなみにこの合流方法を、洋服などのファスナーが閉じる様子になぞらえて「ファスナー式」といいうのです。
また、合流する側も守るべきルールがあります。それが2つの道が合流している先端まで行ってから合流すること。ときどき、できるだけ早く安心しようと先端まで行かないうちに合流するクルマがいますが、それはよくありません。流れを乱すことで混雑を助長してしまうからです。できるだけスマートかつ効率よく。そのためには先端でのファスナー式合流を徹底しましょう。
●実は事故が多い渋滞中。気を抜いてはいけない
渋滞だからといって気を抜いて、よそ見をしたり運転に集中していない人も多く見かけます。しかし、それは危険な行為です。
実は、高速道路での事故割合は渋滞時のほうが多いのです。NEXCO西日本による平成27年の統計では、渋滞時の死傷事故率は非渋滞にくらべてなんと30倍以上。みんなが気を抜きがちな渋滞こそ、高い事故のリスクが隠れていることを覚えておきましょう。
【了】
Writer: 工藤貴宏
1976年長野県生まれ。自動車雑誌編集部や編集プロダクションを経てフリーの自動車ライターとして独立。新車紹介、使い勝手やバイヤーズガイドを中心に雑誌やWEBに寄稿している。執筆で心掛けているのは「そのクルマは誰を幸せにするのか?」だ。現在の愛車はマツダ CX-60/ホンダ S660。
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