お得意様の「一番高いの持ってこい!」は昔話? 車の売れるグレード、ニーズも変化
それでも、上級グレードが売れているマツダ「CX-8」
トヨタやレクサスでは、基本的には中間グレードが売れているようです。レクサスのフラッグシップである「LS」のハイブリッド車「LS500 h」では、一番売れているのは中間グレードで、二番目に売れているモデルとして最も高額な1640万円の「EXECUTIVE」が位置しています。ここら辺が、昭和の『一番、高いモノ持ってこい』という香りを残している部分でしょう。
また、近年においてブランドイメージを向上させているマツダでは、少し違った傾向があるようです。
マツダの国内モデルにおいて、フラッグシップSUVの「CX-8」では上級グレードの「L Package」が約5割を超え、コンパクトカー「デミオ」では、中間グレードの「15S」や「15S Touring」が高いシェアを誇っているといいます。

グレードの販売比率について、マツダは次のように話します。
「発売当初の『CX-8』は、中間グレードの『PROACTIVE』が5割を上回っていました。しかし、グレード追加や改良などを経た最新の状況では、上級グレードの『L Package』が5割を超えています。これは、300万円を超える価格帯では、より良い装備を求めたいというユーザーが多いからのようです。
しかし、マツダのエントリーモデルともいえる『デミオ』では、中間グレードが売れています。これは、買い物用や通勤用など普段の移動手段として考えた場合に、最低限の装備があれば良いというニーズの表れかもしれません」
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いろいろなクルマの販売比率を見ると、昭和の『一番、高いモノ持ってこい』という買い方は、今でも少しは残っていますが、少数派になっているようです。
また、自動車メーカー全体的に、クルマのグレード差を安全の差にするという考えが減りつつあります。最低限の安全性はどのクルマでも確保していくという『安全』に対する認識という面では、時代が変化したといえるのかもしれません。
【了】
Writer: 鈴木ケンイチ
1966年生まれ。國學院大学経済学部卒業後、雑誌編集者を経て独立。自動車専門誌を中心に一般誌やインターネット媒体などで執筆活動を行う。特にインタビューを得意とし、ユーザーやショップ・スタッフ、開発者などへの取材を数多く経験。モータースポーツは自身が楽しむ“遊び”として、ナンバー付きや耐久など草レースを中心に積極的に参加。見えにくい、エンジニアリングやコンセプト、魅力などを、分かりやすく説明するように、日々努力している。最近は新技術や環境関係に注目。年間3~4回の海外モーターショー取材を実施。








