自分が加害者になる? 無断駐車の勝手な対処で思わぬトラブルの可能性
自分が契約しているはずの駐車場に知らないクルマが停まっている。こんな経験をしたことがある方もいるのではないでしょうか。疲れて帰ってきたのにまさかの無断駐車トラブルに巻き込まれると、ついカッとなってしまいがちですが、勝手な判断はトラブルを大きくする可能性が大きいです。無断駐車トラブルの注意点を説明します。
無断駐車トラブルで気をつけなければいけないこととは?
1日の仕事が終わりクルマで帰宅すると、自分が契約しているはずの駐車場に知らないクルマが停まっている。こんな経験をしたことがある方もいるのではないでしょうか。
自分が契約している月極め駐車場や私有地に、契約者や所有者の断りなく駐車をする行為のことを無断駐車といいます。1分でも早く家に帰りたいのに、このようなトラブルに巻き込まれてしまうとつい「イラッ」としてしまいがちです。しかし、怒りに任せて無断駐車への対処を行うと、場合によっては自分の分が悪くなってしまう可能性もあるのです。
無断駐車トラブルの多くは、マンションの敷地内駐車場や月極駐車場で起こりがちです。単に間違えて停めてしまった、という場合もありますが、明らかに故意の場合もあります。
頭に血が上っているとつい強行的な手段を取ってしまいたくなりますが、その考えはオススメできません。これから、ついやってしまいがちな駐車トラブル対処方の注意点を説明します。
クラクションを鳴らす
カッとなってやってしまいがちなことが、クラクションを鳴らしてしまうことです。もしかしたらクラクションを聞いた持ち主が駆けつけてくれるかもしれませんが、それ以外の人にも迷惑がかかってしまうことになります。
また、クラクションは「見通しのきかない交差点や、道路の曲がり角」「危険を防止するためやむを得ない場合」「警音鳴らせの道路標識等により指定された場所」、でしか基本鳴らすべきではありません。他者への威嚇や合図として使うことは原則として禁止です。
無断駐車車両の持ち主を罵倒する
運よく無断駐車車両の持ち主と出会った場合、頭に血が上っているあなたは相手を罵倒する言葉を浴びせてしまうかもしれません。しかし、これは脅迫罪が成立してしまう場合があります。また、胸ぐらを掴んでしまえば暴行罪も成立してしまいます。
窓ガラスにテープ等で貼り紙をする
無断駐車車両に注意書きを貼る際、テープ等を使ってクルマに直接注意書きを貼ることは危険です。テープを剥がす際に糊が残ったり、塗装やコーティングが剥がれた場合は、器物破損の罪が課せられてしまう場合があるのです。注意書きを残したい場合は、ワイパーの間に挟むなどキズが残らないようにする配慮が必要です。
タイヤをロックしたり、ポール等を置いて動けないようにする
司法の力を借りずに自分で無断駐車が動けないようにすることは、民事法の概念で「自力救済」にあたってしまいます。そして、自力救済は法律で禁止されているのです。さらに、タイヤをロックするときに付けたキズや、ポールに当たって付いたキズも、器物破損の罪に問われてしまうことがあるので注意です。
レッカー移動をする
これもタイヤロックなどの事例と同じく「自力救済」にあたってしまいます。また、そのレッカーにかかった費用を相手に請求することは難しいでしょう。「邪魔だったからレッカーをした、料金はお前が払え。」これをよしとしてしまうと、自力救済が肯定されたことになるためです。
日本の法律って、なんだか先に無断駐車した者の勝ち、みたいなところがあって納得できないことばかりですね。 無断駐車したこの車になにか仕返ししたい!と、思うのが普通の感覚だと思いますが怒りが収まりまらない場合はキズの一つもつけてやりたい気分です!