自分が加害者になる? 無断駐車の勝手な対処で思わぬトラブルの可能性
結局、無断駐車はどう対処したらいいの?
これまで説明したことをまとめると、「クルマに触ってはいけない」「クルマを動かせないようにしてはいけない」「持ち主を罵倒してはいけない」ということになります。さらに、私有地での無断駐車は「民事上のトラブル」となるため、警察も基本的に動いてくれません。
では停めたもん勝ちで、停められた側は泣き寝入りするしかないのか、というとそうでもありません。実際に編集スタッフ(以下、筆者)が経験したことを例としてあげます。
筆者が仕事から帰ってくると、自分が契約している駐車場に知らないクルマが停まっていました。あたりを見回しても誰もおらず、夜遅いマンションの駐車場ではクラクションを鳴らすわけにもいきません。
管理会社も営業時間外ですし、警察以外に頼るところはない。筆者は携帯電話から110番通報をしました(携帯電話からの通報だと緊急通報扱いになる)。
電話で大まかな内容を聞かれた後に駐車場でしばらく待っていると、自転車に乗った警察官が現れました。警察官はその場ですぐにナンバープレートを照会し、持ち主に電話をかけました。
すると警官は、「クルマの所有者さんとは繋がらなかったのですが、一緒にお住いのご家族が持ち主に連絡してくれるそうです。」とのこと。
それからしばらく待っていると、隣のマンションから若い夫婦が駆け足でこっちへ来ました。ここまで約1時間かかっています。悶々とする気持ちを抑えながらも、「なぜこの場所へ止めたのか?」と筆者が聞くと、夫婦は「友達の家に遊びに来ていた。間違えて停めてしまった、申し訳ない」と謝りました。
「見たこともない隣県のナンバーのクルマだし、一体何をどう間違えたのだろうか」と思いましたが、解決したなら良かったと思い、「もうここには停めないでくださいね」と念押しをしました。すると警官は、「このあたりの相場で駐車料金を請求できるかもしれませんよ」といいます。
筆者の居住地のコインパーキングの相場は1時間400円程度です。例えば無断駐車の夫婦が3時間駐車していたとしても、請求できるのは1200円ということになります。
わざわざ損害賠償請求をおこして1200円の回収では割に合いませんので、筆者は警官の提案を断りました。駐車場料金の請求はできたかもしれませんが、手間の方が大きいと判断したからです。
このケースでは無断駐車車両の持ち主がすぐに見つかりましたが、見つからない場合は自分のクルマを近隣のコインパーキングなどに停めるしかありません。その場合は、コインパーキング代と無断駐車の駐車場使用料を請求できる可能性が高いので、自分も無断駐車にならないように他に停めましょう(腑に落ちないとは思いますが)。
以上の経験から、民事案件の無断駐車トラブルでも警察はきちんと動いてくれることが分かりました。しかし、相場を超えた駐車料金の請求や、慰謝料のような金銭は請求できないことになります。それどころか、無断駐車車両や持ち主に危害を加えた場合は、大きなしっぺ返しを食らってしまう可能性の方が大きいです。
自分が停めている駐車場の無断駐車を防ぐためには、カラーコーンを置くなどしてあらかじめ停められないようにしておく方法しかありません。また、どうしても治らない無断駐車トラブルの場合は、自分で対処しようとせずに弁護士に相談することが大切です。
無断駐車トラブルに巻き込まれないようにするためにも、あらかじめの対策をしておくことをオススメいたします。
【了】
日本の法律って、なんだか先に無断駐車した者の勝ち、みたいなところがあって納得できないことばかりですね。 無断駐車したこの車になにか仕返ししたい!と、思うのが普通の感覚だと思いますが怒りが収まりまらない場合はキズの一つもつけてやりたい気分です!