アレ? 回らないはず… 劇中でフレディのロールス・ロイス 「RR」マークが回っているのはなぜ?
実は運転免許を持たなかったフレディ・マーキュリー
フレディ・マーキュリーが所有していた1974年型ロールス・ロイス「シルバーシャドウ」について簡単にご紹介しておきます。
フレディのシルバーシャドウは、所属していたグースプロダクションズによって1979年に購入されています。前述しましたが、映画に出てくるシルバーシャドウは1976年製なので撮影用に用意された車です。フレディが所有していた74年製に極力似せていますが、仕様としては微妙に異なっているようです。
フレディはこの車を大変気に入っており、亡くなる直前の1991年11月まで使用していました。フレディ亡きあとは、彼の家族とずっと一緒に(愛用のティッシュボックスもそのまま残されていたとか)所有され続けてきました。6.75リッターのV8エンジンを搭載したこのシルバーシャドウは、内装がグレーのレザーで木目調のトリム、電動ウィンドウや自動車電話、ラジカセなどを搭載しており、走行距離はわずか6万2000マイル(約99200km)でした。
クイーンに関係するイベントで使用されたのは、2002年5月に初演となったミュージカル「We will rock you」にプレミアとして登場したのが公に姿を現した最後だとされています。
フレディのロールス・ロイス、2013年にロシア人実業家のもとへ
フレディのロールス・ロイスの「その後」ですが、こちら2013年にロンドンの競売会社コイズ・オークションハウスで開催されたオークションで競売に掛けられました。
落札価格は9000~1万1000ポンド(現在のレートで約130万~160万円)と予想されていましたが、実際にはロシア人の実業家が74000ポンド(約1110万円)で落札したそうです。当初の推定落札価格に比べるとかなり高額での落札となりましたが、映画ボヘミアン・ラプソディが世界的ヒットした現在ならば、その何倍もの価格で落札されていたかもしれませんね。
街でもしロールス・ロイスを見かけたら、回っているか、回っていないか? センターキャップにぜひ注目してみてください。
【了】
Writer: 加藤久美子
山口県生まれ。学生時代は某トヨタディーラーで納車引取のバイトに明け暮れ運転技術と洗車技術を磨く。日刊自動車新聞社に入社後は自動車年鑑、輸入車ガイドブックなどの編集に携わる。その後フリーランスへ。公認チャイルドシート指導員として、車と子供の安全に関する啓発活動も行う。