アレ? 回らないはず… 劇中でフレディのロールス・ロイス 「RR」マークが回っているのはなぜ?

第91回アカデミー賞で主演男優賞を始め、編集賞など合計4部門(最多)で栄冠を手にした映画「ボヘミアン・ラプソディ」。この映画にはフレディ・マーキュリーの愛車である1974年生ロールス・ロイス「シルバーシャドウ」が何度も登場します。しかし回らないはずの「RR」マークが回っているのです。その理由を知らべてみました。

走行時でも回らないはずの「RR」マークが…

 先日発表された第91回アカデミー賞で主演男優賞を始め、編集賞など合計4部門(最多)で栄冠を手にした映画「ボヘミアン・ラプソディ」。この映画にはフレディ・マーキュリーの愛車である1974年生ロールス・ロイス「シルバーシャドウ」が劇中に何度か登場します。そのロールス・ロイスに注目すると、タイヤ&ホイールの中心にあり回らないはずの「RR」マークが走行中、回転していました。いったいなぜか? その理由を調べてみました。

RRエンブレムがタイヤと一緒に回らないよう、センター部分にベアリングを使った機構を採用した2003年以降のロールス・ロイス

 映画では、フレディ・マーキュリーがライブエイドの会場へ向かうシーンから始まります。乗っている車はフレディが所有していた1974年型ロールス・ロイス「シルバーシャドウ」(映画で使われた劇用車は1976年型)で、まずは、猫たちに見守られながら、自宅からフレディのロールス・ロイスが出て行くところを後ろから撮影したシーンが出てきます。

 その後、走行している状態を横から撮影したものが流れて、タイヤ&ホイールが回転するシーンに続きます。ハブキャップの「RR」マークがクルクルと回転している様子がわかるのですが、この瞬間、マニアックな車好き、ロールス・ロイスのファンの中には、「あれっ」と思った方も多いかもしれません。

 筆者(加藤久美子)も、「ん?なんでだろう」と思った一人です。なぜなら、ロールスロイスのホイールセンターキャップは、タイヤが回転しても『RR』のエンブレムは一緒に回転することなく、常に正立の状態になることで知られているからです。しかも映画の中では、どういう意図かわかりませんが(走行のイメージでしょうか)、RRマークがクルクルというか、カタカタという感じで回っている状態の映像が3~4秒間流れていました。

実はRRが回らなくなったのは…2003年以降

 回らないはずの『RR』のエンブレムが何故回っているのか。まずは、ロールス・ロイスの正規ディーラーに聞いてみました。すると、「RRマークが回らない仕様になったのは2003年以降のモデルから」ということがわかりました。「回らないRRマーク」は、思っていたより最近のことだったようです。それより30年近く昔のロールス・ロイスであれば、回っていて当然でした。

 ちなみに、2003年という年はロールス・ロイスを生産・販売する権利がBMWの所有となった年。同様にロールス・ロイス・モーターカーズという新しい企業がBMWのもとで新時代のロールス・ロイスの生産を始めた年でもあります。

「回らないRRマーク」の第一号は、2003年に発表されたロールス・ロイス「ファントム」でした。また、最新のロールス・ロイス「カリナン」もやはりセンターキャップは回っていません。そもそも、なぜ、ロールス・ロイスはRRマークを回らない仕様にしたのでしょうか。

「ロールス・ロイスはエレガントであることを大切にしています。そして、ちょっとした遊び心も持ち合わせているブランドでもあります。エンブレムがタイヤと一緒に回らないよう、センター部分にベアリングを使った機構を採用していますが、これは私が把握している限り、自動車メーカーとしてはロールス・ロイス独自の機構と認識しています」(ロールス・ロイス・モーター・カーズ アジア太平洋 北部地域 広報マネージャー ミッチェル・ローズマリー氏)

 ロールス・ロイスを象徴するRRマークが常に正立している状態で走行することは、エレガントさを究めるロールス・ロイスの美学といっても良いでしょう。

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