BMW「X4M40i」は存在感抜群のデザインや機能、性能を兼ね備えていたモデル
怒涛の加速力は強力なエンジンパワーから得られる
前段が長くなりましたが、実際にドライブしてみると、そのネーミングの意味がよく理解できます。直列6気筒エンジンは、BMWが世界に誇るパワーユニットです。回転フィーリングがとてもスムースなことで世界から称賛されているのですから、それも納得できます。
低回転域からトルクが充実しており、信号待ちから発進するその瞬間から力強さを意識することができますし、そのままアクセルペダルを踏み続けていれば、瞬時に最高速度に達するほどなのです。
ボディサイズは日本の道を気軽に走るにはギリギリのサイズです。全長はともあれ、全幅は1920mmもありますから、小道に紛れ込んでしまったら、ガードレールや電柱に気を使わされるサイズです。車高も高いのでその分視点も高い位置にあります。そんな大きな塊のクルマが怒涛の加速力を披露するのですから、迫力は桁外れです。
実は、サスペンションのフィーリングも相当にスポーティです。ゴツゴツとした不快な突き上げは感じられませんでしたが、フワフワと揺れるような感覚はまったくありません。高剛性の足回りが組み込まれています。
実は試乗を続けているうちに、自分自身が強く頼もしくなったような錯覚に陥りました。印象的には骨太で、力強く、独特の破壊力をもっとハイウエイを突進するその様子に影響されたのですね。
BMW「X4M40i」はそういうクルマです。鍛え抜かれたアスリートのような、紳士的であり頼もしいクルマなのです。
【了】
Writer: 木下隆之
1960年5月5日生まれ。明治学院大学卒業後、出版社編集部勤務し独立。プロレーシングドライバーとして全日本選手権レースで優勝するなど国内外のトップカテゴリーで活躍。スーパー耐久レースでは5度のチャンピオン獲得。最多勝記録更新中。ニュルブルクリンク24時間レースでも優勝。自動車評論家としても活動。日本カーオブザイヤー選考委員。日本ボートオブザイヤー選考委員。