ミシュランに聞く! 日本には日本のスタッドレスは都市伝説?

90年代から日本で開発してます

小沢:実際、ミシュランさんとしてはどう思ってますか。前から某国産メーカーはこう言ってますよね。タクシー装着率7割以上とか。

ミシュラン:もちろんあのデータはウソではないとは思いますが、ウチも決して負けていませんので。

小沢:要するに都市伝説だと?

ミシュラン:だと思ってます。

小沢:でも日本の雪道、特に凍結路が特殊なのは事実ですよね?

ミシュラン:はい。解ける氷は日本が一番シビア。もう一つ日本はタイヤノイズにも厳しい。でも、ミシュランもこの2つは日本で研究してるんです。

ミシュランX-ICE3+のサイプ技術や新採用のMチップに自信!

小沢:え? フランスのシャモニーやスイス国境でテストしてるわけじゃないと。

ミシュラン:90年代から日本にR&Dセンターを置いています。なによりミシュランは82年に日本で初めてスタッドレスタイヤを発売してますから。最近は某国産メーカーさんもそういうことを書かれているようですが。

小沢:そんなに古くから日本向けを。

ミシュラン:しかもスタッドレスは日本、韓国、北米、中国のみの販売です。

小沢:なるほど。ミシュランのスタッドレスも日本開発であり、決して欧州の雪道ノウハウをそのまま日本に持ってきているわけではないと。

ミシュラン:それからウチに「松竹梅」戦略はありません。常にベストのものを供給してますし、ですからモデルサイクルが長いんです。本当にユーザー価値に合ってるかどうかを試してから発売しています。凍結路でのグリップはもちろんライフ、音も犠牲にしてません。

小沢:なるほど。それってブリヂストンが古いVRXと新しいVRX2を併売していることを暗に指摘してますか? 安くて性能が落ちる旧型と、高くて性能がいい新型を併売してると。

ミシュラン:ウチは特にスタッドレスの開発が始まって以来サイプ(細かいタイヤトレッド面の切れ目)技術は高くて、トレッドが減れば減るほどサイプのエッジの立ち方が鋭くなる構造を持っており、そもそもブロック剛性が高い。だから柔らかいゴムを使えるんです。

小沢:でも国産系は某発泡ゴムに代表されるように減っても柔らかさがあり、吸水性を失わないと言ってますね。

ミシュラン:ウチもX-ICE3+で「Mチップ」を入れた表面再生ゴムを投入しています。タイヤが減ると「Mチップ」が出てきてゴム表面の穴を再生するんです。

小沢:発泡ゴムに似てますね。

ミシュラン:違います。ゴム内部のMチップは空洞ではなくブロック剛性を保持するんです。

小沢:なるほど。ウチの方がよく出来てると。

※ ※ ※

ミシュランX-ICE3+をチェックする筆者(小沢コージ)

 そんなわけで、ああ言えばこう言う方式でスタッドレスの良さを説いてくるミシュランスタッフ。どうやら自信は本物のようで18年夏から19年1月末まで「ミシュランスタッドレスタイヤ全額返金保証プログラム」を実施。要するに期間中、性能にご満足いただけなければ全額返金! ってヤツです。

 果たしてみなさんどう思いますか? 確かに何psとか何Nmのように性能を数字で示しにくいタイヤというシロモノ。それだけにイメージ&販売実績勝負になってるのも事実。実際、小沢も今回ミシュランで圧雪路は走りましたが、過酷な凍結路は試せておりませんので。

 なにより先日、とりあえずマイカー用に手軽でお安いブリヂストンのVRXを買ってしまいました。つくづくタイヤ選びって難しいですね。

【了】

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