あの名車が1200万円で日本上陸!? ランチア「ストラトス」のレプリカモデル「The STR」公開
日本初披露された「The STR」のスペックは?
スタイルは、見事にオリジナル・ストラトスの雰囲気を再現しており、まるで1970年代にタイムスリップし、ストラトスを手にしたような気分が味わえます。
インテリアもストラトスらしさを追求しており、7連式のメーターパネルを備えたシンプルなダッシュボードや小物入れを備えたドアパネル、バケットシートなど、レプリカだからといって、現代的なアイテムは追加されていません。
唯一、エアコンは装備されていますが、これに異を唱える人はいないと思います。また、オリジナル同様にラゲッジスペースは皆無ですが、その生い立ちを考えれば当然です。
オリジナルモデルのパワートレインは、フェラーリから提供を受けた「ディーノ246」用の190psを発揮する2.4リッターのV6自然吸気エンジンを搭載していました。
今回の「STR」では、アルファロメオ製の3リッターV6自然吸気エンジンを搭載。これは、アルファ「166」(中古車)から流用したものであり、二世代ほど前のややクラシカルなアルファロメロ製エンジンです。
しかし、高回転まで気持ち良い吹け上りが楽しめるもので、約220PSを発揮し、トランスミッションは、6速MTを組み合わせています。
足回りは、ボディ同様に同社の専用設計で、オリジナルよりワイドな前16インチ後17インチの異形サイズを装着。このあたりからも「STR」のポテンシャルの高さをうかがえるのです。
リスター・ベル・オートモービル社では、購入者が組み立てを行う「キットカー」販売が中心。完成車の製造について、「年間3~5台程度と極めて少なく、既に2年分のバックオーダーを抱えているが、生産体制の強化を目指している」としています。
価格は、「装備や納車までに掛かる期間によって、為替変動も考えられるため、1200万円程度で日本に持ち込みたい」と説明。
およそ1200万円。リアルに乗れる、かつて憧れた名車を手にすると考えれば、決して高いプライスではないかもしれません。
【了】
Writer: 大音安弘(自動車ライター)
1980年生まれ。埼玉県出身。クルマ好きが高じて、エンジニアから自動車雑誌編集者へ。その後、フリーランスになり、現在は自動車雑誌やウェブを中心に活動中。主な活動媒体に『ナビカーズ』『オートカーデジタル』『オープナーズ』『日経トレンディネット』など。歴代の愛車は全てMT車という大のMT好き。