保有10万台突破でブーム到来!? 最新キャンピングカーに見る進化の兆しとは
かつては庶民の憧れだったキャンピングカー。昨今のアウトドアブームや自然災害への危機感などがあってか、需要が右肩上がりになっています。ここ数年は国内市場独自の路線を確立してコンセプトを維持してきたキャンピングカーですが、今年のジャパンキャンピングカーショー2019において、新たな進化の兆しが見えてきました。
最新キャンピングカーは保守から個性へシフト
かつて特別だと思われていたキャンピングカーは、2016年に国内保有台数が10万台を突破(日本RV協会調べ)。最近は、休日の高速道路でよく見かけることがあります。
ユーザーは熟年夫婦やニューファミリーを中心に、自由な旅行を手に入れたいという人が増加。他人の視線を気にすることなく乳幼児や愛犬と旅行を楽しみたいという人や、宿泊代を節約した分で贅沢なものを食べたいという人などに、キャンピングカーはうってつけのようです。
キャンピングカーの祭典である「ジャパンキャンピングカーショー」には、今年も多数の人が訪れました。2月1日から3日までの間で、約7万人という来場者数は、キャンピングカーへの注目度を物語っています。
今回も会場となった幕張メッセには、300台以上のモデルを展示されました。それを俯瞰して見ると、熟成市場になりつつあるキャンピングカーは従来の方向性を踏襲しつつも、ここにきて少しずつ変化し始めています。その変化には、あるキーワードが挙げられます。それは「個性の強化」です。
群馬県にあるキャンピングカーメーカーの代表は、「日本のキャンピングカーは、どれを見ても外観は商用車と変わらない」と嘆きます。それは商用バンやトラックをベースにしているためであり、外観で打ち出せる個性といえば、デカールかアルミホイールだけです。
そこで同社はカスタムカーメーカーとコラボレーションし、キャンピングカーとカスタムカー両方の要素を持ったニューモデルを提案しました。同社では今後、「『アゲトラ』や『アゲバン』(リフトアップされた軽トラックやバン)との融合も考えている」といいます。
内装についても、各社が新たなビジョンを示していました。今回の展示車で注目を集めていたのが、「VAN LIFE(バンライフ)」をイメージした内装を取り入れたモデルです。欧米で流行した「VANライフ」の雰囲気を、コンプリートカーであるキャンパーに取り入れて、あえて手作り感を前面に出すことで、1台1台異なる雰囲気を楽しもうというわけです。
岐阜県に本社のある「トイファクトリー」は、高級ファニチャーメーカーである「カリモク」とのコラボで造った「BADEN」を展示しました。通常、キャンピングカーの内装は木製の部材を使っても、表面はプリントであることがほとんどですが、このモデルは天然木を使っており、1台1台すべて木目が異なるという個性を持っています。