保有10万台突破でブーム到来!? 最新キャンピングカーに見る進化の兆しとは
キャンピングカー増で新たな課題も発生
2017年度には4000億円を超える市場に成長したキャンピングカーは、今後さらに拡大が予想されています。これまで軽キャンパーやバンコンバージョン(ハイエースなどがベース)といった簡易型のキャンパーが主力商品でしたが、最近はより快適な居住性を求めるユーザーが増加しており、キャブコンバージョン(小中型トラックがベース)や大型輸入キャンパーの需要が増えつつあります。
2020年に開催される東京オリンピックで訪日外国人増が予想されますが、キャンピングカーの需要も期待されています。神奈川県や埼玉県でキャンピングカーのレンタルを行なっている「マクレントカー」のスタッフは、次のように期待を寄せていました。
「昨今、海外からの観光客への貸し出しが急激に増えています。ホテル難民が予想される東京オリンピックの時には、さらに貸し出しが増えそうな状況です」
ただ、駐車場やセキュリティなど運用での問題点も多く指摘されており、「日本RV協会」が整備している施設「RVパーク」などの案内などを含めた、インフラの整備が必要とされています。
加えて、先進安全装備が充実していないキャンピングカーの事故への対応策も、早急に求められています。今回のショーでは安全性を強化した新型のベースシャシーや、専用タイヤが展示されていましたが、今後はユーザーへのさらなる安全性の啓蒙活動も必要な段階に来ているのではないでしょうか。
約20年掛かって成長してきた日本のキャンピングカー市場は、いよいよ新たな段階へと歩を進めました。欧米に比べるとまだまだといわれる日本のキャピングカー文化ですが、はたして車両の増加に合わせて社会インフラも整備されるのでしょうか。日本でも時間に縛られない自由な旅を謳歌できる時が来るのか、楽しみなところです。
【了】
Writer: 山崎友貴
自動車雑誌編集長を経て、フリーの編集者に転向。登山やクライミングなどアウトドアが専らの趣味で、アウトドア雑誌「フィールダー(笠倉出版社刊)」にて現在も連載中。昨今は車中泊にもハマっており、SUVとアウトドアの楽しさを広く伝えている。