巨大化するトヨタ「プリウス」 “変わらない”を貫く「クラウン」との差はどこに?
巨大化に対して、「変わらない」を貫くトヨタ「クラウン」
一方で、全幅1800mmを守り続けるモデルがトヨタ「クラウン」です。1955年に登場したクラウンは、初代モデル(全幅1680mm)に対して、2012年にモデルチェンジした12代目モデルから現行モデル(15代目)は全幅1800mmと、巨大化の波にあらがっています。
なぜ、「クラウン」は巨大化しないのか。その理由について、トヨタのディーラースタッフは次のように説明します。
「クラウンは『日本』における高級車の代名詞的存在です。確かにグローバル化が進むなかで、日本に合わせた規格のままだと、販売が厳しい実情はあると思います。
しかし、クラウンは日本をメインにして企画・開発されています。そのため、日本の道路事情に適したサイズを重要視するのです。
一方で、プリウスはトヨタのグローバルモデルです。そのため、日本の事情よりも世界的な販売という点で成功しなければいけませんので、サイズは巨大化しています。
また、クラウンは歴代モデルから乗り継ぎされる人や、クラウンだから購入されるクルマでもありますので、先代・先々代モデルより大きく変更することはユーザー離れを起こすことも考えられます。」
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実際、クルマのサイズが大きくなることで、居住性や快適性は向上します。また、大きくなって運転しづらくなった部分を、標準化されつつある「運転支援機能」でカバーしている点もクルマの「巨大化」の一つの要因に挙げられるでしょう。
しかし、実数値で大きくなっているのは事実のため、都市部の狭い道や駐車場などでは苦労しないとは言い切れません。
グローバル化するクルマとガラパゴス化を守るクルマの二極化は、軽自動車人気の影響もあり今後も続くといえそうです。
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