なぜ国内未導入? 日本では買えない日本車、個性派クルマ5選
日本の自動車メーカーが世界市場で展開するモデルには、国内販売していない車種もあります。そこで、もし国内販売されていたら欲しくなりそうなクルマを5車種ピックアップしてみました。
海外でしか買えない個性的な日本車5選
日本の自動車メーカーのラインナップのなかでも海外のみの販売で国内市場に導入されていないクルマが増えてきました。その理由には、国内で販売しても採算が取れないなどが挙げられますが、それらの中には魅力的なクルマも存在しています。
そんな、海外でしか販売されていない日本メーカーのクルマを5車種選んで紹介します。
●いすゞのピックアップ「D-MAX」
いすゞ「D-MAX」は、2002年にデビューしたタイで製造されているピックアップトラックで、1994年まで日本国内で販売されていた「ファスター」の後継にあたるモデルです。
「ファスター」は、ピックアップトラック「ワスプ」の後継として1972年に登場し、いすゞとGM(ゼネラルモータース)提携開始のキッカケとなったクルマで、1980年に登場した2代目から4WD車「ファスターロデオ」もラインナップ。同モデルをベースにした初代「ロデオビッグホーン」が誕生し国内でも人気車種となりました。
1988年に販売開始となった3代目は、リアベッド(荷台)に巨大なウーファーを搭載した車両が毎週末、首都高速・大黒PAに大挙するほど人気でしたが、4WDのレジャーカーの人気がワゴンベースのクルマに切り替わってしまったことから、1994年に国内販売を終了し、D-MAXが登場するまでは海外向けに生産が継続されていました。
2002年に発売されたD-MAXのエンジンは、136psを発揮する3リッターと、116psの2.5リッター直列4気筒の直噴コモンレールディーゼル2種で、実用には十分な出力と日本でも馴染みのあった「RODEO(ロデオ)」の名前が冠された4WDモデルもあり、2005年「タイ・カーオブザイヤー」で「ベストセラーピックアップ」と「最優秀省燃費ピックアップ」に選ばれました。
また2006年には180psを発揮する3リッター直列4気筒直噴コモンレールディーゼルも追加ラインナップされ、シボレーにOEM供給された車両は「シボレー・D-MAX」、「シボレー・LUV D-MAX」、「シボレー・T-シリーズ」として販売され、オーストラリアのホールデンでは「ホールデン・ロデオ」としても販売されました。
2011年には2代目D-MAXが発売され、タイで「ベストセラーピックアップ」、「最優秀省燃費ピックアップ」、「ベストライフスタイルピックアップ」を獲得しただけでなく、2012年には「グッドデザイン賞」も受賞しています。なお、国内販売の予定なしとしながらも2015年の東京モーターショーに展示されています。
●トヨタの超小型車「アイゴ」
トヨタ「アイゴ(Toyota Aygo)」は、チェコのコリーンにある「トヨタ・プジョー・シトロエン・オートモービル(TPCA)」が製造する、トヨタとプジョー・シトロエンが共同開発した小型車で、2005年に発売された初代モデルは、兄弟車「プジョー 107」、「シトロエン C1」と合わせると年間30万台ペースで生産されたと言われています。
2014年に発売された2代目アイゴは、乗員の頭上のスペース確保に有効なダブル・バブル・ルーフや「X」文字をモチーフにしたフロントとリアのデザインが特徴です。最新のアイゴも同様で、トヨタの小型車を見慣れている日本では「あれ、このクルマ何だっけ?」と思われることはあっても、違和感を感じることはないと思います。実用性と機能性を持ちながら個性的なインテリアも魅力で、ドア内張りのサイドウィンドー下の部分がボディーと同色になっている点なども洒落ています。
搭載されるエンジンは、トヨタとダイハツが共同開発した72psを発揮する1リッター直列3気筒で、日本国内の「ヴィッツ」に搭載されていたものと基本部分は共通です。燃費も欧州複合モードで27km/L超え(MT車)と良好。価格も「x 3 Door Hatchback」(MT)で£9295~(日本円約116万円)、「x-clusiv 5 Door Hatchback」(AT)で£1万4595(日本円約182万円)ですので、コンパクトカーとしては魅力的です。