たった100mの高速道路? 首都高に存在する幻の「8号線」の正体とは

首都高の誕生には東京オリンピックが関係していた

川の上空を通る首都高

 首都高といえば、前述のKK線を含めて曲がりくねった複雑な構造が特徴的です。その理由については次のように説明しています。

──首都高にクネクネと曲がった道路が多いのはなぜでしょうか。

 都市部においては、建設用地を公共用地以外で確保することが困難なことなどから、できるだけ公共空間を活用しつつ、さまざまな制約を考慮する必要があり、その結果で現在のような形状となっております。

──1964年の東京オリンピック開催にあたり、急ピッチでの道路建設が必要だったことも背景にはあるのでしょうか。

 1950年代、戦後の経済復興とともに自動車交通が爆発的に増加し、激しい交通渋滞が発生しました。この状況を改善するため、1959年4月に首都高速道路公団(現在の首都高速道路株式会社)法が公布され、設立が決まりました。

 当初計画では、幹線道路や江戸時代以来の水路などの公共空間が活用されました。また、同時期の1959年5月にオリンピックの開催都市が東京に決まます。

 交通対策は、大会の成否にかかる最緊急事案とされ、オリンピック開催に間に合うよう関連高速道路を整備することが当面の最大の使命とされたため、急ピッチで建設に取り組みました。

※ ※ ※

 首都高の複雑な構造の背景には、前回開催された東京オリンピックの開催に合わせて、既存の道路や橋の上空といった公共用地を活用したことがわかります。

 60年近く前に急いで進められた首都高は、老朽化が進んでいます。現在は、次の2020年東京オリンピック・パラリンピックに向けて、急ピッチで修復・改善作業が行われているようです。

 前回のオリンピックによって、東京の交通インフラは大きく発展しました。2020年のオリンピックへ向けてもさまざまな場所で大改修が実施され、さらに快適で走りやすい道路になることが望まれます。

【了】

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