電動、HV、ガソリンエンジンのPCX3兄弟を一気乗り! ホンダの熱き挑戦魂感じ、夢が膨らむ

ホンダ「PCX」シリーズは、2018年新たな1歩を踏み出しました。共通のフレームに3種の動力源が用意されたのです。それぞれの車両について試乗を通し紐解きます。

内燃機関からの脱却へ、バイクにも次世代動力源が続々登場

 100年続いた内燃機関の時代も、将来的には終わってしまうのでしょうか。ドイツは2030年までに、イギリスやフランスも2040年には発火燃焼エンジン(ディーゼルやガソリン車)の販売を禁止する方針を打ち出しています。

PCXハイブリッドと試乗中の筆者(青木タカオ)

 時期はともあれ、モーターサイクルもまた四輪車に倣わざる得ないはずで、レシプロエンジンを積むバイクに慣れ親しんだ我々としては、動向に不安を感じるのが正直なところです。

 とはいえ、EVの本格普及には課題が山積みで、電動へ一本化されるのはしばらく先ではないかとも見られています。そんななかクルマの世界では、モーターとエンジンを組み合わせて走るハイブリッド車(HV)が人気を集めているのは、ご承知の通りで、EVのような加速性能とガソリン車並みの航続距離を両立し、生産コストに優れる点でも優位。昨今は普通乗用車の人気上位を独占し、その波は軽自動車にも。エコカーの代表的な存在となっています。

 また、ガソリンエンジン車も技術の進歩によって燃費に優れ、厳格化する環境性能にも対応し生き長らえています。つまり現代は、電動、ハイブリッド、化石燃料車の3つが共存している時代で、未来から今を振り返れば「多様性に満ちた過渡期であった」と、興味深く語られるのかもしれません。

左から:PCX / PCXハイブリッド / PCX エレクトロニック

 そのとき、モーターサイクル界で革新的だったと名前が挙がるに違いないのが、ホンダの原付2種スクーター「PCX」でしょう。バイクでは唯一、電動、ハイブリッド、ガソリン車を同一モデルでラインナップし、画期的としか言いようがないのです。前置きが長くなってしまいましたが、今回そのPCX3モデルを集めて乗ってみることにしました。

基本構成を共通とするPCX3兄弟

 3車とも車体の基本構成は共通です。流麗で伸びやかなデザインはクラスを超えた上質感があり、「PCX HYBRID(ハイブリッド)」と「PCX ELECTRIC(エレクトリック)」では、ホンダ四輪EVと共通のエンブレムが使われ、プレミアム感と先進性を強調しています。

「PCX ELECTRIC(エレクトリック)」は四輪車と同じエンブレムを採用

 車体色も専用で、ハイブリッドはパールダークナイトブルー、エレクトリック(電動)はキャンディブルーを随所にアクセントとして用いたパールグレアホワイトによって差別化され、電動はマフラーがないことでも一目瞭然です。

 出揃ったのはまだ最近で、ベースとなるガソリン車が2018年4月に3代目となってフルモデルチェンジすると、9月に「PCX HYBRID(ハイブリッド)」を発売。11月には企業や個人事業主に向けて「PCX ELECTRIC(エレクトリック)」がリース販売を開始しました。

 いずれも原付2種クラスで、「PCX」は2010年発売の初代から大ヒットし、クラスを牽引してきた人気モデルです。

 スクーターにしては大きい前後14インチの足まわりで、搭載するエンジンは排気量125ccの水冷SOHC4バルブ単気筒。最初からアイドリングストップを採用し、2年後には耐久性と静粛性、燃費性能を高めたグローバルエンジン「eSP(イーエスピー)」を搭載するなど“PCX=先進的”というイメージを確立していきます。

 2014年にスタイリングが刷新され、2代目へと進化を果たすと、ヘッドライトを含む全灯火器をLED化し、燃料タンク容量を5.9リットルから8リットルに増加。新型メーターでは平均燃費計も表示され、アイドリングストップシステムには電圧が一定以下になると自動停止する機能が追加されました。

メインフレームをダブルクレードル構造に変更

 2018年4月に新発売された3代目は、メインフレームをアンダーボーン式からダブルクレードル構造に変更し、向上した動力性能を最大限に活かせる剛性の高いシャシーとしています。前後タイヤをワイド化し、リアクッションのストローク量も15mm増しされ、軽快感を損なうことなく安定性をアップ。ゆったりとしたライディングポジションも相まって、ワンランク上の乗り心地です。スマートキーも新採用され、ますます先進的となっています。

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