Googleマップのストリートビュー、撮影車が入れない建物内や狭い路地はどうやって撮影している?
クルマで入れない場所は、どうやって撮影するの?
狭い所や徒歩でしか行けない場所の撮影には、上部に撮影システムを装備した「ストリートビュー・トレッカー」というバックパックを背負って人間が撮影しています。自動車やトライク、スノーモービルなどでもアクセスできない場所の撮影は“トレッカー”を背負って撮影するので、かなりの労力が掛かりますが、ゴツゴツした岩場がむき出しになったアリゾナ州のグランド・キャニオンもこの“トレッカー”を使用して撮影されたといいます。
また、世界中の美術館をストリートビューで見られるようにしようと考えたGoogleは、その撮影用に、必要機材を小型のフレームに詰め込んだ手押し型車「ストリートビュー・トロリー」と呼ばれる撮影システムを開発。ホワイトハウスやスタジアムといった建物の中も、同様の方法で撮影しているとのことです。
人が入れない狭い路地は、三輪自転車撮影システムで
バルセロナやパリなどを筆頭に、クルマでは入れない狭い路地もあります。それらを撮影するために、高い位置に撮影システムを取り付け、ペダルを踏むたびに自動的に画像を収集できる三輪自転車撮影システム「ストリートビュー・トライク」をエンジニアチームが開発しました。現在では、テーマパークや大学のキャンパス、動物園、ストーンヘンジを代表とするユネスコ世界遺産など、このトライクで撮影した世界各地の画像が公開されています。
さらに、ゲレンデなど極寒の環境に耐えられるように、予備のハードドライブを追加した機材をスキージャケットで包んで木材と防水テープで固定した「ストリートビュー・スノーモービル」が完成したことで、カナダの「ウィスラー・ブラッコム」をはじめとする、世界各地のスキーリゾートを撮影することが可能となりました。
このように、撮影写真をストリートビュー画像として表示するまでの舞台裏では、ストリートビュー技術チームの開発努力があります。今後もサービス改良を通じて、私たちにさらなる楽しさと驚きを与えてくれることに期待したいです。
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