いかついフェンダーに2.5リッターエンジン搭載! スバル歴代最強「S209」発表! 北米初導入にはどんな背景が?
スバルのモータースポーツ統括会社であるスバルテクニカインターナショナル(STI)がWRX STIをベースにした北米向けのコンプリートカー「S209」を発表しました。北米で“Sシリーズ”を発売するのははじめてのこと。今回の北米発売にはどんな背景があるのでしょうか。
アメリカに初上陸のSTI“Sシリーズ”
アメリカのデトロイトで開催されている北米国際自動車ショー(デトロイトモーターショー)で、スバルのモータースポーツ統括会社であるスバルテクニカインターナショナル(STI)がWRX STIをベースにした北米向けのコンプリートカー「S209」を発表しました。
S+数字3桁の車名を持つモデルは“Sシリーズ”と呼ばれ、STIのコンプリートカーの中では最高峰のポジショニング。極めて高い性能を持つシリーズです。
実は、北米で“Sシリーズ”(後述)のコンプリートカーを発売するのははじめてのこと。今回の北米発売にはどんな背景があるのでしょうか。
「SUBARUは中期経営ビジョン『STEP』で、SUVとスポーツモデルを充実させていくことを掲げています。昨年、北米専用の大型SUV『アセント』を発売してSUVのラインナップは一通りそろいました。そして、スポーツモデルのイメージを高めるには北米における強力なイメージリーダーが必要と考え、その役割を担うのが『S209』なのです」とSTIの平川良夫社長はいいます。
S209はベースとなったWRX STIに対してサスペンション、エンジン、インテリア、そしてエクステリアと多岐にわたって変更されています。なかでも、注目すべきポイントはオーバーフェンダー。これまで、オーバーフェンダーを装着したSシリーズはありせんでした。
このオーバーフェンダーを採用した理由について平川社長に尋ねたところ、「ひとつは、コーナリング性能の向上です。ワイドトレッド化で旋回性能を高めることができます。そして、もうひとつの大きな理由は特別感の演出です。北米ではSTIの認知度がほとんどありません。
そこで北米でSシリーズをスタートするにあたり、STIコンプリートカーの存在を知らなかった人にも『すごいクルマだ』というインパクトを与えたいと考えました。そこで、オーバーフェンダーを装着して一目でわかる特別感を演出したのです」と教えてくれました。
もうひとつ興味深いのは、エンジンでしょう。これまで日本で販売されたSシリーズはすべて、排気量2リッターのエンジンを搭載していました。しかし、S209は2.5リッターエンジンを選択。北米ではWRX STI自体も2リッターではなく2.5リッターエンジンを積むとはいえ、この違いはどこにあるのでしょうか。