日本の救急車「誰でも無料」世界でも異例 悪質利用年々増加「タクシー代わり」約半数 年間50回以上の利用者も

日本の救急車は外国人観光客でも健康保険に未加入でも、119に電話をして要請すれば誰でも無料で来てくれます。日本人にとっては当たり前のシステムですが、世界的に見ると「極めて異例」です。そして近年では、無料だからこそ起こる深刻な問題にも直面しているといいます。

米国は救急車1回で500ドル以上? 英国は無料だが登録制

 日本の救急車は外国人観光客でも健康保険に未加入でも、119に電話をして要請すれば誰でも無料で来てくれます。日本人にとっては当たり前のように思えるこのシステム、実は世界的に見て「極めて異例」なことなのです。いざという時に非常に助かる日本の救急車システムですが、無料だからこそ起こる深刻な問題にも直面しているといいます。

日本の救急車では「頻回利用者」が年間52,799回も出動要請をしている実態

 日本と違って、海外では多くの国で救急車は有料です。距離によって料金が決まっている国や1キロごとに加算されて行く国もあります。たとえばアメリカでは州によって差はありますが、最高で500~800ドルかかったという声も聞かれます。

 カナダもアメリカとほぼ同レベルで有料。オーストラリア在住の筆者(加藤久美子)の知人は、お子さんが交通事故に遭って救急車で運ばれたときには日本円で10万円近い請求が来たそうです。しかも、同時に事故に遭って軽傷だったクラスメイトは自分で歩けるし、呼吸もしっかりしているからという理由で、救急搬送は拒否。緊急性が低いと判断されたため、病院まで自力でタクシーかバスで行くように指示されたとのことでした。

 イタリアのように海外からの観光客が多い国は、外国人観光客に対しては救急車の利用や治療費(入院や手術を除く)が無料という国もあります。ただし、イタリアでも軽症と判断された場合、救急車が自宅に来るのは他の重症患者の搬送が終わってからになります。

 イギリスは救急車の利用は無料ですが、「GP登録」(GP=General Practitioner 家庭医、かかりつけ医)を事前にやっておかねばなりません。長年イギリスに住んでいる人であれば、問題ないのでしょうが、登録までに数か月かかることもあります。駐在や留学で半年以上、イギリスに滞在する人なら外国人でもGP登録が可能です。

イギリスの救急車

 イギリス在住歴がある筆者の友人曰く、「イギリスに住んでいた時にGP登録しました。自宅の郵便番号から近所の病院を探します。GP登録が出来る定員というのが病院ごとに決まっているので、空きがあれば申請出来ます。しかし登録するのに2~3ケ月かかりました」とのこと。
 GP登録がない人はそもそも救急車に乗ることもできないそうです。また他の多くの国と同様、自力で病院に行ける人など、「軽症」と判断された場合はイギリスでも救急搬送は見送られます。

 社会保障が充実している北欧の国々もEU圏内在住者は無料とする国、タクシーの5~10倍かかる国など、いろいろとあるようです。

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