ゴーン肝入りのEVが大幅進化! 「リーフe+」は普通のリーフとどれだけ違う? 試乗で実力試す

従来型と「e+」の違いとは

 公道においては、高速道路の合流などでそれを感じることができるはず。また、コーナリング時は、姿勢がとても安定しているのも再確認。これは、バッテリーの大型化に伴って重心高が従来型よりも10mm下がっていることに加え、新しいバッテリーケースを採用したことでねじり剛性が8%アップしたことも効いていると思われます。重心が低くなった結果、車体のロール角が(0.4Gの旋回時に)5%ほど減っているそうです。

大容量バッテリーの搭載によって走行性能も向上

 大容量バッテリーを搭載したこの追加モデル「e+」について、日産自動車 日本EV事業部の寺西章氏は次のように話します。

――「e+」は、すべての面において従来型よりも優れているのでしょうか。

 従来型モデルより「e+」がすべての面で優れている訳ではありません。バッテリーが大きければすべていいというわけではなく、そのぶん価格帯が上がってしまう面もあります。

 また、40kWhのほうが車両重量は軽い(装備グレードにより異なるがe+は160kgから180kg重量増)ので、スタートが軽やかです。

――「e+」を追加した背景にはどのような理由がありますか。

 これまで航続距離の面で、EVを購入しなかった人にも選んでもらえる可能性が広がったと思いますし、従来型よりも伸びた航続距離で安心を求める人にも「e+」は最適だと思います。

 一方で、価格的には従来型のほうが手が届きやすいですから、「e+」の追加はさらに多くのお客様にマッチするためのラインナップ拡大が狙いとなります。

 そのため、今回の「e+」は進化版というよりは「選択肢を広げる」という意味合いが強いです。

※ ※ ※

 日産「リーフ」の車両価格(消費税込み)は、従来型(40kWh)が324万3240円から199万9240円に対し、追加された「e+」は416万2320円から472万9320円と同じグレード同士で比べても50万円以上高いです。

 ちなみに、「e+」は、バッテリーが大型化されているものの搭載レイアウトに工夫を施したことで、室内スペースは従来モデルと違いはありません。ただし、バッテリーのサイズアップ(高さが増している)に対応し、全高が5mm上がり、最低地上高は10mm低くなっています。

 また、従来はシルバーだったホイールのセンターキャップが黒くなってしますが、これは「e+」の追加と同時に従来型にも採用された変更点。従来型には同時に、踏み間違い衝突防止アシストやLEDヘッドランプが全車標準採用されるなど仕様が向上し、ナビがAndroid Autoに対応しました(Apple CarPlayには従来から対応)。

 そのほかの違いは、フロントバンパーの下端に青い縁取りが加わったことのみ。充電リッドを開くと「e+」のロゴが見えますが、これはオーナーだけが見える“隠れたオシャレ”といえそうです。
 
【了】

選択肢が広がった「e+」を画像でチェツク!

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Writer: 工藤貴宏

1976年長野県生まれ。自動車雑誌編集部や編集プロダクションを経てフリーの自動車ライターとして独立。新車紹介、使い勝手やバイヤーズガイドを中心に雑誌やWEBに寄稿している。執筆で心掛けているのは「そのクルマは誰を幸せにするのか?」だ。現在の愛車はマツダ CX-60/ホンダ S660。

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