昭和から平成を駆け抜けたスペシャリティカー トヨタ「セリカ」7世代に渡る変遷

1970年にスペシャリティカーとして誕生したトヨタ「セリカ」は、初代モデルが登場してから36年もの間、支持を集め続けました。その7世代に渡る歴史を振り返ります。

セリカは誕生後、パーソナル・スポーツ・スペシャリティカーとしての地位を確立

 1967年(昭和42年)5月、トヨタは本格的なスポーツカー「2000GT」の生産を開始します。この一台は、2リッター直列6気筒エンジンにヤマハが開発したDOHCヘッドを組み合わせた「3M型」エンジンを搭載することで、当時の2リッター車では世界トップレベルの0から400m発進加速15.9秒、最高速度220km/hを実現しました。

1970年登場の初代セリカ

 同年8月には「コロナ 2ドアハードトップ」のボディに、「2000GT」同様ヤマハが開発したアルミニウム製DOHCヘッドを組み合わせることで、最高出力110PSを発揮する「1600GT」を発売。『庶民にも買えるGTカー』として瞬く間に人気車種となり、1970年(昭和45年)12月に発売された初代「セリカ」へと続くスポーツ・スペシャリティーカーの基礎を作ります。

日本車らしからぬ外観が与えられた初代「セリカ」

 初代「セリカ」の基本シャーシは兄弟車である「カリーナ」と共通でしたが、「セリカ」が持つ今までの日本車には少なかった滑らかで優美な曲線ラインは、どことなくアメリカのスポーティーカーを想像させるものであり、無骨なデザインのカリーナとは対照的なものでした。

1973年登場のセリカ・リフトバック

 また、そのふっくらしたボディーラインや、メッキのフロントバンパーがダルマのひげ面に見えることから「ダルマ」の愛称で親しまれた初代「セリカ」は、8000回転まで刻まれたタコメーターと200km/hまで目盛りが振られたスピードメーター、水温系と燃料計とは別に油圧計と電圧計を備えることでスポーティさとスペシャリティカーらしさを醸し出しています。

 搭載された直列4気筒エンジンは、84PSの1.4リッター/100PSのシングルキャブ1.6リッター/105PSのツインキャブ1.6リッターOHV/115PSのツインキャブ1.6リッターDOHCの全4種類で、DOHCエンジンを搭載する「GT」以外のグレードではエンジン、ミッション形式、内装を好みで選べる“フルチョイス”システムを採用していました。
 
 1973年(昭和48年)4月には、なだらかな傾斜のリアゲートを持つ3ドアボディーの「セリカ“リフトバック”」が登場。

 クーペが丸くすぼんだテール周りのデザインだったのに対し、エッジが効いたラインを持つこのモデルは、縦に5本レイアウトされたテールランプが当時のアメリカ車をイメージさせるもので、若者たちからは『LB(エルビー)』と呼ばれクーペよりも人気となります。
 
 この縦型5本テールランプのデザインが途中で角度が変わっていたことで『バナナの房』を連想させたことから、縦3本にテールランプのデザインが変更された後期モデルと区別するために前期モデルは“バナナテール”と呼ばれていました。

2代目セリカは、不評から転じて人気車種に

 1977年(昭和52年)8月に登場した2代目「セリカ」は、初代と同様に2ドアクーペと3ドアリフトバックの2種をラインナップ。空力を高めるため、日本初の三次元曲面サイドガラスを採用した同モデルは、先代リフトバックのシャープな印象と相反するルックスで“せむし”や“セリカ・バン”などと呼ばれていました。

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1977年登場の2代目セリカ・リフトバック2000GT

 2代目「セリカ」に搭載されたエンジンは、トップグレードの「2000GT」に搭載された2リッター4気筒ツインキャブDOHCと「1600GT」の1.6リッター 4気筒EFI(電子制御燃料噴射装置)仕様のDOHCユニットを筆頭に、2リッター SOHC/1.8リッター OHV/1.6リッター OHVの5種類を用意。

 1978年(昭和53年)4月には、上級車種としてクラウンと同じ2リッター/2.6リッターの直列6気筒エンジンを搭載した「セリカXX」も登場しますが、このモデルはもともとスポーツ・スペシャルティカーとして人気を博したセリカを好む層からは“大きく重いだけ”と酷評されることが多く、一部ユーザーからは『セリカ・霊柩車』とまで言われるほどでした。
 
 初代「セリカ」が、そのキャラクターで若者を中心に人気を博していたのに、2代目へのモデルチェンジで失敗したと認識され始めていた1979年(昭和54年)8月、トヨタは本来のセリカの魅力でもあったスポーティさを強調する“名ばかりのGT達は、道を開ける”と言うキャッチコピーを掲げ、マイナーチェンジ。

 これにより、「セリカXX」と共通の角4灯ヘッドライトへと変更された2代目は、先進性を追い求め失いかけたセリカのブランドを復活させることに成功しました。また、後期型クーペモデルは、初代の雰囲気も残しながらシャープな顔立ちを持ち、現在もセリカ・ファンの間では高い人気を誇っています。

 さらに、1980年(昭和55年)1月には、「カリーナ」と共通プラットフォームを持つ4ドアセダン「セリカ・カムリ」を発売。初代「セリカ」を好みながら年齢を重ねてもスポーティさを忘れられない層に支持されました。

約36年続いたトヨタ「セリカ」の歴史を画像で振り返る(18枚)

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