ディーゼルの「スカイライン」もあった!? 時代を先取りしたディーゼル車5選
コンパクトなボディにパワフルで低燃費を実現したモデルも
●フォルクスワーゲン「ルポ 3L TDI」
2001年に日本で販売されたVW「ルポ」は、現在の「UP!」に相当するAセグメントのコンパクトカーです。この「ルポ」に「3リッターカー」である「ルポ 3L TDI」が、1999年に加わりました。
「3リッターカー」とは排気量ではなく、3リットルの燃料で100km走れるクルマのことを示します。つまり33.3km/L以上の燃費になります。
「ルポ 3L TDI」に搭載されたエンジンは1.2リッター3気筒ターボディーゼルで、組み合わされるトランスミッションは本国でもATのみでした。
燃費向上の手法は、装備の簡素化とアルミやマグネシウムを多用することで軽量化したボディに、空力性能の向上(ガソリン車と異なるフロント周り)、低転がり抵抗のタイヤを採用するなど、多岐にわたります。
当時、日本では、ディーゼルエンジンの排ガス規制が強化され始めた時期で、価格もガソリン車に比べかなり高額だったこともあり、「ルポ 3L TDI」は輸入されませんでした。しかし、わずかな台数が並行輸入というかたちで上陸しています。
●マルチ・スズキ「セレリオ ディーゼル」
スズキのインドにおける子会社である「マルチ・スズキ・インディア」で製造・販売されているコンパクトカー「セレリオ」は2008年に発売されました。
そして2014年には2代目「セレリオ」がデビューし、翌2015年にスズキは軽量・コンパクトな2気筒0.8リッターの「E08A型」ディーゼルターボエンジンを「セレリオ」に搭載すると発表しました。
出力は35PSと平凡ですが、トルクは12.7kg-mと1.3リッターガソリンエンジン並で、850kgほどの車体には十分にパワフルなものとなっています。
「セレリオ」への搭載にあたっては、エンジンの取り付け方法や車体剛性の最適化と、吸音材の追加などを行ない、エンジンから伝わる振動や音を軽減し、快適性が高められていました。
現在もインドで販売されている「セレリオ」ですが、残念ながらディーゼルエンジンはラインナップからなくなってしまいました。
ただ、類まれな2気筒ディーゼルですから、ぜひ復活してほしいものです。