ヤマハSR400を「XT500」に! 往年の名車を再現した「オフローダー」カスタムとは

VMXとスクランブラー、2つのオフローダーカスタム

 近年ではSRをベースにしたオフローダーカスタムは、さまざまなカスタムショップで見ることができます。ただ、ひとくちに「オフローダー」といっても、そのスタイリングは大きく2つに分かれるようです。

 ひとつは車高をしっかりと上げ、21インチのフロントホイールを履いた「VMX(ヴィンテージ・モトクロッサー)」スタイルで、「XT500」レプリカともいえる、険しい林道からモトクロスコースまで、走る場所を選ばない仕様が特徴となります。

車高を大きくアップし、大経ホイールにブロックタイヤを履いたSRカスタム(デルスラーラ ver.広島製作)撮影:井上 演

 実際にオーナーの多くはSRで林道ツーリングやモトクロスを楽しまれる方が多いようで、「デルスラーラ ver.広島」の代表/井上さんは「お客さんと定期的に林道ツーリングを楽しんでいる」といいます。参加者はすべてカスタムSRというから驚きです。
 
 また大阪にあるグリードモーターサイクルの代表/小川さんは、自らカスタムSRでヴィンテージモトクロスのレースに参加しており、「僕が作るのはXTレプリカではなく、あくまでもSRをベースとしたカスタムマシン。タンクやシートなどはSRらしさとモトクロッサーらしさが両立するようにこだわっています」と話します。

 もういっぽうは必要以上に車高を上げず、フロントホイールのインチアップも19インチ程度(もしくは純正18インチ)に留めた「スクランブラー」スタイルです。このカスタムは足つき性もよく、それでいてアップタイプのハンドルバーを備えることでリラックスしたライディングポジションを実現。車体のコントロール性も高いため、街乗りからツーリング、そしてちょっとしたフラットダートまでを気負うことなく楽しめるスタイルとして支持されています。

純正タンクを活かした1台。セミアップマフラーはクラシックな雰囲気を演出する(大坂のモーターガレージグッズ製作)

 本格的なモトクロッサースタイルか、ツーリングも楽しめるスクランブラータイルか、どちらにせよ共通しているのは、スタイリングと走りの両方を楽しんでいるということです。

 やはりカスタムバイクといえども、走って楽しむことがバイクの本質です。近年はそう考えるライダーが増えてきたように思いますが、オフローダーカスタムは、そんなカスタム好きのわがままを叶えてくれる最良のスタイルだといえるでしょう。
 
【了】

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Writer: 佐賀山敏行

カスタムバイク専門誌の編集長を経て、現在はヤマハSR400/500に特化したWEBマガジン「The SR Times」を運営する。自身も現在93年式と14年式の2台のSRを持つフリークだが、基本的にはバイクは何でも好き。

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