ヤマハSR400を「XT500」に! 往年の名車を再現した「オフローダー」カスタムとは
これまでにもカフェレーサーやトラッカー、チョッパーと、さまざまなカスタム・スタイルへ対応する柔軟性を見せてきたヤマハ「SR400」。近年は初期型回帰ともいえる70年スタイルが高い支持を得ています。それと双璧を成す人気を誇るのが、ある意味で “原点回帰”といえる「オフローダー」カスタムです。
世界中で人気のオフローダーモデル
近年、世界的な人気を獲得しているバイク・ジャンルの一つがアドベンチャーツアラーやスクランブラーといった「オフロード」を強く意識したモデルです。
ホンダ「アフリカツイン」やBMW Motorrad「R1200GS」などに代表されるアドベンチャーツアラーは、最新の走行性能と快適装備を両立させた、いわば「究極のツーリングモデル」といえるものです。高速道路から未舗装のダートまで “地球のあらゆる道がツーリングルート”といっても過言ではない走破性が魅力となっています。
対してスクランブラーは60年代から70年代のバイクを思わせるスタイリングが特徴で、アドベンチャーツアラーほどの快適性や走破性はありませんが、オートバイ然とした普遍的な外観と、必要にして十分な装備と性能で多くのライダーを満足させてくれるものです。
近年ではトライアンフから発表された「スクランブラー」シリーズが話題となりましたが、2018年11月8日から一般公開されたイタリアのオートバイ国際見本市EICMA(エイクマ)では、ヤマハが「XSR700」をベースに往年の名車「XT500」を再現したコンセプトモデルを出展して大きな注目を集めました。
SRの原点といえる「XT500」とダートトラッカー
オフローダー人気はカスタムバイクの世界にも波及していますが、そうしたカスタム車両のベースとして高い支持を得ているのが1978年に初代モデルが登場したヤマハ「SR400」です。そもそもシングルエンジン搭載のロードスポーツとして高い完成度を誇る同モデルですが、そのルーツはオフローダーだということをご存知でしょうか。
1976年に登場した「XT500」は、ヤマハ初となる4ストローク500cc単気筒エンジンを採用したモデルで、2年後の1978年には、同エンジンを搭載したSR400/500が発売されます。そうした観点からみてもSRの原点は生粋のオフローダー「XT500」であることが分かります。
今でこそヨーロピアンとして見られている純正SRのデザインですが、もともとはダートトラッカーを強く意識したもので、初期型は19インチのフロントホイールに、アップライトなハンドルバーを採用。そして現行にも受け継がれるシート周りのデザインはトラッカーイメージをダブルシートに落とし込んだものといわれています。XT500にはじまるルーツやデザインソースなどを踏まえれば、SRにオフローダー風のカスタムが似合うのは当然のことといえるでしょう。