バリトンボイスのような排気音と軽快なヒラヒラ感 トライアンフ新型2車種の走行フィーリングとは?
エンジンの最高出力を10PSもアップさせるなど、各部に改良が加えられたトライアンフの新型「ストリートツイン/ストリートスクランブラー」が12月11日に発表されました。その実力はどれほどのものなのか、さっそく新型2機種に試乗する機会を得ました。
大型バイクらしからぬ細身で足つき性のいい車体が生み出す安心感
2018年12月11日、英国のメーカー「トライアンフ」は2019年中旬にかけて実施する「新商品攻勢第二弾」の先駆けとして、新型車「ストリートツイン」と「ストリートスクランブラー」を日本で発表しました。発表会に参加したプレス向けの試乗会が同日行われましたが、ここでは新型2機種の乗り味をお届けします。
新型は、外観こそ先代から大きく変わらないものの、最高出力が10PS向上したエンジンのみならず、高性能なフロントフォークやブレンボ製ブレーキによる足回りの強化、新しいライディングモードの追加など、スペックだけを見れば大幅な強化が図られました。
若干、雨がパラつく生憎の空模様となった今回の試乗会ですが、さっそく、その走りを確かめるため、まずは「ストリートツイン」にまたがり、セルボタンを押しエンジンを始動。騒音規制の範囲に収まりながらも、質感の高いステンレス製のマフラーからは、バリトンボイスのようなジェントルで野太い排気音が吐き出されます。
左手のクラッチレバーを握りギアを1速に入れると、新開発のトルクアシストクラッチの軽さに衝撃を受けました。指一本で引けてしまいそうなクラッチの軽さは、あたかも小排気量モデルのようです。
6人一組となり新型車の試乗を開始、アクセルを若干開けクラッチを繋ぐと、乾燥重量で200kgを切る車体は、まったくストレスを感じる事なくタイヤが転がり始めます。いくつかの交差点を抜け、交通量の多い幹線道路に合流するために、アクセルを大きく捻ります。
すると新型車のアイドリング回転数である1000rpm前後とは違う、トライアンフ独特のバーチカルツインらしい機関銃のような端切れのいいサウンドとシンクロし、小気味好い加速感を実感できます。ハーレー・ダビッドソンの大排気量Vツインのような野太さや、独特のフィーリングを持つBMWやモトグッツィなどの横置きツインとも違う、伝統の縦型ツインならではのフィーリングが根付いています。
また、フロント18インチ、リア17インチというホイールサイズもあってか、街中での走行では大排気量車とは思えないヒラヒラとした軽快さを味わえる「ストリートツイン」ですが、次に乗り換えた「ストリートスクランブラー」は、エンジンフィーリングこそ同様ながら、マシンの挙動にはいくつかの違いがみられました。