似て非なる存在のホンダ「N-BOX」と「N-VAN」 性能は同等でも使い勝手や税金面に大きな違い
見た目は似ていても区分が違う?
スペックだけで見るとどちらも同様の軽自動車ゆえ、大きな差はありません。外見上の大きな差としては、「N-VAN」の左側面にはBピラーがありません。これは、商用車としての使い勝手を考慮し、助手席側に大きな開口部を設けることで、長尺ものや大きな荷物も横から簡単に積み下ろし作業できるようにしたためです。
また、自動車の区分という点でも、「N-BOX(乗用車/5ナンバー)」と「N-VAN(商用車/4ナンバー)」は、車検や税金などの部分に違いが表れます。通常、「4ナンバー」は毎年車検ですが、軽自動車の「4ナンバー」は普通車同様に2年ごとの車検です。軽自動車税においても、「4ナンバー」のほうが半分以下の金額です。
一見、「N-VAN(4ナンバー)」のほうがお得感という意味で良さそうなイメージです。しかし、あくまでも商用車のため、室内も荷物優先な構造なほかタイヤサイズも荷物の重さに耐えられる条件をクリアした特殊なサイズに限られています。
新型「N-VAN」の開発責任者 古館茂氏は、「『N-VAN』を開発するにあたり、荷物をたくさん詰めることはもちろん、多様化するユーザーの仕事に対して、クルマをもっと使いやすく働きやすい存在にすることでした。『N-VAN』は、仕事やレジャーなどあらゆるライフスタイルに合わせて便利に使える軽バン新基準の創造にチャレンジしました」と説明。
単純な商用軽バンを復活させるだけであれば、標準モデル「N-VAN」のみの展開で十分でした。しかし、あらゆるニーズに応えるために、「N-BOX」よりもアクティブさを求めるユーザーに対するひとつの選択しとして、「N-VAN +STYLE FUN」という趣味性をもたせたモデルを展開しています。
ホンダの「N-BOX」と「N-VAN」」は細分化するユーザビリティを包括する似て非なる存在といえそうです。
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