愛車の駆動輪知らないと危険… 積雪時、非駆動輪に誤装着のタイヤチェーンは効果ナシ?
12月10日、 国土交通省より「大雪時の道路交通の確保に向けた取り組みについて(チェーン規制の検討状況)」が発表されたこともあり、今後はタイヤチェーンを使用する機会が増える可能性があります。
タイヤチェーンの性能を引き出すには、適切な車輪への装着が必須
タイヤの外周に装着することで、降雪路や凍結路で滑り止めの効果を発揮する“タイヤチェーン”には、金属製やプラスチック、ゴムなどの非金属製、最近では布製のタイプなど、様々な素材のものが存在しています。
素材の違いによって様々なメリット・デメリットのあるタイヤチェーンですが、いずれの場合でもその効果を最大限に発揮するには、エンジンやモーターからの力を回転運動に変換し、路面に力を伝える“駆動輪”に装着することが必須です。しかし、なかには誤って“非駆動輪”にチェーンを装着してしまうユーザーもいるようです。
そこで、ロードサービスを全国で展開するJAFでは、前輪駆動車であるトヨタ“プリウス”を使用し、“駆動輪”と“非駆動輪”にタイヤチェーンを装着(テスト車では新品ノーマルタイヤに非金属タイプのチェーンを装着)した場合に、どの程度違いがあるのかを3つのテストで検証しています。
1つ目のテストは、雪の踏み固められた勾配12%(約6.8度)の圧雪坂道を上るもので、駆動輪(プリウスの場合は前輪)にタイヤチェーンを装着した場合には上りきれたものの、非駆動輪(後輪)に巻いた際には前輪がスリップし、上りきれませんでした。
2つ目のテストは、半径6メートルの円周路に時速30キロで侵入し、接地されたパイロンに添って曲がれるかを検証するもので、坂道同様、前輪に装着した場合にはコーナーを追従できましたが、後輪に巻いた際には前輪が滑り大きく外側へ膨らんでしまいました。
また、3つ目として行われた時速40キロからの制動距離テストでは、前輪装着時には28m、後輪装着時では35.3mと7m以上距離が伸びています。ブレーキ時には前輪に過重がかかるため、前輪駆動車であるプリウスの場合には特に誤装着時(後輪に装着)との差が開いた結果となっています。
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このテスト結果からもわかるように、FF車や前輪駆動ベースの4WD車の場合には前輪、FR車やMR車、後輪駆動ベースの4WD車では後輪にチェーンを巻くことでその効果を最大限に発揮できます。
仮にご自身の乗られているクルマの駆動輪がわからない場合には、マイカーの車両マニュアルや購入した店舗の販売員に確認をする必要があるでしょう。
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