スタッドレスタイヤ装着のタイミングは? どのくらい使ったら寿命を迎えるか
雪道や凍結路の走行に欠かせないスタッドレスタイヤ。タイヤ購入や装着のタイミング、そして寿命など、これからスタッドレスタイヤの利用を検討する人に向けて、販売店に聞いてみました。
スタッドレスタイヤの「スタッド」とは?
日に日に深まる冷え込みが、本格的な冬シーズンの到来を感じさせます。地域にもよりますが、冬用の「スタッドレスタイヤ」への交換が進んでいることでしょう。
降雪地域以外の方は「年に数回しか降らない雪のために何万円も払いたくない」と考えているかもしれませんが、東京都心部でも2018年の1月には20cm以上の積雪を記録しました。ドライバーが慎重に走行しても夏用タイヤでは限界がありますから、事故回避のためにも万一の備えは必要かもしれません。
とはいえ、極力コストは抑えたいという方のために、スタッドレスタイヤの装着タイミングなどについて紹介することにします。
まず、スタッドレスタイヤについてですが、冬用タイヤの主流になる以前は「スパイクタイヤ」というものが存在していました。タイヤのグリップ面に金属製の鋲(びょう)が装着されていて、凍結路でも駆動や制動時に安定した走行ができるのが特徴でした。
しかし、積雪のないアスファルトやコンクリート舗装路で使用すると、スパイクが道路を傷めるだけでなく、目、鼻、のどの疾病や気管支喘息を悪化させるなどの健康被害を引き起こす「粉塵」を発生させてしまうことから、1990年6月に施行された「スパイクタイヤ粉じんの発生の防止に関する法律」により使用が規制されました。
この流れを受けて「スタッド(スパイク)のないタイヤ」であるスタッドレスタイヤが、いまでは冬用タイヤの主流となっています。
スタッドレスタイヤは、タイヤのグリップ力を発揮しづらい積雪路や凍結路でも、夏用タイヤに比べて駆動や制動、ハンドル操作時に安定した走行ができます。
路面に接地するトレッド面のパターンが夏用タイヤに比べて細かく刻まれているだけでなく、柔らかさや硬さなどのタイヤの特性を決める「コンパウンド」と呼ばれるゴムの成分も、低温でもゴムにしなやかさをもたせることが出来る素材を使っています。
言い換えれば、真夏にスタッドレスタイヤのままで走行していると、必要ない性能を無駄に消費して摩耗を速めてしまうことにもなります。