トヨタ「2000GT」を作り上げたヤマハ発動機が四輪事業凍結! 今後の目指す方向性とは
ヤマハは、新中期経営計画および長期ビジョンを発表しました。注目されていた四輪事業については、今回見送られました。
ヤマハ発動機が注力する3つの領域とは?
2018年12月11日東京・丸の内においてヤマハ発動機は、「新中期経営計画および長期ビジョン説明会」を行いました。2030年を見据えた長期ビジョンならび2019年からの3カ年における新中期経営計画を策定しました。
ヤマハは「人間にいちばん近い乗りもの」であるモーターサイクルで創業以来、「普遍的な企業目的感動創造企業」の名のもとに、新たな価値を生み出すことで成長。今後、環境問題や社会情勢、AIや情報化社会などさまざまな要素が交わる世の中において、人の感性に訴えることが重要です。
同社が培ってきた技術と感性を活かしつつ、ロボティクス(AIやロボット関連技術)を活用し、注力する3つの領域「トランスフォーミング・モビリティ(変革するモビリティ)/リシンキング・ソリューション(ヤマハらしいソリューション)/、アドバンシング・ロボティクス(ロボティクス活用による知的技術)」を2030年に向けて強化していくとしています。
そのなかで、楽しさを提供するLMW(リーニング・マルチ・ホイール)は、二輪車のように傾けて旋回する三輪以上の車両を言い、2014年のトリシティ発売以降、研究開発を継続し、さらに先日大型スポーツバイクNIKEN(ナイケン)を発表しています。
先月のミラノショーでは、300ccのモデル3CTを披露するなど、今後も安心快適そしてファンを両立させたモデルで、ラインナップを広げると言います。
しかし、四輪事業や生産などについて、ヤマハ発動機 代表取締役 日高祥博社長は次のように話しました。
「普通乗用車市場への参入は、一旦凍結しました。外部協力会社と共同で考えた技術課題がクリアできず、生産は難しいです。また、どの地域でどのようなクルマを作るのかという選択も難しく、投資し収益としての回収は困難なのではないかと結論が出ました」
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過去にヤマハ発動機は、四輪事業として「OX99-11」の開発やトヨタへ完成四輪車を納品した実績もあるなど、高い開発技術を持っています。クルマの生産に関しては、何年かに一度は四輪事業についての話は出てきますが、LMW(リーニング・マルチ・ホイール)の方面で四輪を含めた新しいモビリティの開発は引き続き継続していくと説明しています。
四輪事業は凍結しましたが、ヤマハはこれまで培った広がるモビリティ、小型電動製品、ユニークな技術開発、さらに現在注力している技術領域の研究開発を組み合わせ、社会課題解決にも貢献できる新しい見解のヤマハらしい小型モビリティの提案を目指しています。
また、自動運転、コネクティッドの技術開発を進め、すべての人々にモビリティを低コストで提供し、社会のラストワンマイルを担うインフラの提供に繋げたいと考えているそうです。
そのほか、低速車両における自走運転は、インフラ依存度や運行リスクを低く抑えられることから低コストの移動サービスが実現可能。また、プラットフォームの汎用性を高めることで、人の移動に限らない、あらゆるものの移動サービスも実現でき、過疎、高齢化、人手不足などの様々な社会課題に対し、解決策を提案。
低速自動運転車両だけでなく、電動アシスト自転車や電動車椅子も含め、ヤマハはスローモビリティを中心とした街作りまでを活動テーマとして捉え地域創生にも取り組むようです。将来海外へのコンテンツ輸出も視野にいれて開発を進めています。
今後もヤマハは、あらゆる分野(マリン・農業・医療)において問題を解決する技術革新を行なっていくようです。
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