軽から高級車までLEDヘッドライトが急増している理由 メリット多いがデメリットも
家庭用の照明器具はほとんどがLED化していて、電球が切れた場合はLED電球に買い替えるのが通常です。クルマのヘッドライトのLED化はどうなっているのでしょうか。
家庭用に普及したLEDがクルマにも広がってきている
近年、家庭用の照明器具はどんどんLEDに置き換わっており、液晶テレビの光源にもLEDが採用されるなど、家庭でのLED利用率はとても高くなってきています。
LEDは正式には“Light Emitting Diode”日本語では「発光ダイオード」と言います。実用的な青色発光ダイオードを発明した日本人3名が2014年のノーベル物理学賞を受賞したのは記憶に新しいでしょう。
家電製品にLED照明が普及し始めたのは2009年頃からで、現在では照明器具のほとんどがLEDになり、大手家電メーカーでは白熱灯(電球)や蛍光灯を使った照明器具の生産中止が決まるなど、急速に入れ替わっています。
LEDは、電球や蛍光灯に比べて、消費電力が少なく、寿命も長いことから、環境にもよく経済的であるとされており、また、照明器具によっては発光の強弱や色を細かく設定ができることもメリットとされています。
経済産業省 商務情報政策局情報通信機器課が2012年に行った調査によると、2020年にはLED普及率100%を見込んでいるようです。
家庭内で一気に普及していったLEDは、クルマでも、さまざまなな車種のさまざまな部分に採用されるようになってきています。とくに近年、採用拡大中なのがLEDヘッドライトです。
クルマのヘッドライトはこれまでハロゲンランプ、HID(キセノンヘッドライト)などが採用されていましたが、現在、新車で販売されている車種のヘッドライトにはLEDの採用が多くなっています。
クルマにLEDヘッドライトが採用されるのはどういった理由からなのでしょうか。クルマのLED化の理由をホンダにうかがいました。
──クルマにLEDヘッドライトが採用される理由は何でしょうか。
LEDヘッドライトが使われるようになった理由は、消費電力が小さいことや、従来に比べて耐久性が高いこと、また、近年ではLEDのコストが安くなってきたことがあげられます。
──LEDヘッドライトの採用によって、従来と変わった点はありますか。
ユニットサイズが小さくでき、従来できなかったデザインができるようになりました。しかし、場合によってはランプの後ろ側を、放熱対応のために空間を大きくする必要があります。したがってLEDによって「光源が小さいから自由度が増した」とは必ずしもいえるわけではありませんが、従来に比べて違うデザインができるようになったのは事実です。