新型「RAV4」後出しもトヨタ勝算アリ? 各社新型モデル揃い踏みでSUV戦国時代へ
クルマ業界において「SUV」はいまや絶対的人気を誇るジャンルです。コンパクトSUVに火がつき、フルサイズへとシフトチェンジしたかと思いきや、ここにきてトヨタ新型「RAV4」、ホンダ「CR-V」、スバル「フォレスター」などミドルサイズが相次いで登場しています。ミドルサイズSUVのラインナップが豊富となる理由はなんなのでしょうか。
終わることのない世界的なSUV人気とは
クルマ業界のなかで、世界的にみても「SUV」はまだまだ伸びている人気のジャンルです。ここ数年では、輸入プレミアムブランドのポルシェ「カイエン」を筆頭に、ランボルギーニ「ウルス」やベントレー「ベンテイガ」、アストン・マーティン「DBX」など世界中のあらゆる自動車メーカーがSUVタイプの開発に力を入れています。
そんななかでも、2017年の世界売上高1位を誇るトヨタもSUVジャンル人気を捉えるような車種のラインナップを拡大。2018年11月時点で国内販売のトヨタブランドでは、「C-HR」「ハリアー」「ランドクルーザー」「ランドクルーザープラド」を展開。トヨタは、数年前からSUVジャンルに力を入れ始めていますが、他社の新型SUV車に対して勝算はあるのでしょうか。
すこし前まで、トヨタのSUVといえば、都会派ユーザー向けの「ハリアー」と誕生から67年の歴史を誇る「ランドクルーザーシリーズ」が代表車でした。しかし、SUVジャンルのなかでもとくに人気傾向にあるコンパクトSUV車のラインナップがなかったトヨタは、2016年に新型車「C-HR」を投入。国内では、同クラスのホンダ「ヴェゼル」やマツダ「CX-3」を抑えて、もっとも売れているコンパクトSUVモデルへと成長を遂げました。
さらに、攻勢をかけるトヨタは2016年以来約3年ぶりの復活となる新型「RAV4」を2019年春に投入することを早々とアナウンスしています。これによりトヨタのSUVラインナップは、コンパクトからフルサイズまで網羅することになります。
なぜこれだけSUVモデルを次々と導入するのか? 「SUVジャンルは世界的にも人気なので、国内向けだけのミニバンよりも世界戦略車として台数も見込めるため、開発にもGOが出やすい」と開発関係者は話します。
一方、国内市場では多くのライバル車が登場しているのも事実。マツダは、国内向けに「CX-3」「CX-5」「CX-8」を展開。ホンダは、売れ筋の「ヴェゼル」に加えて、2年ぶりに国内復活した新型「CR-V」を導入。スバルも同社の主力車「フォレスター」を5代目にフルモデルチェンジしています。さらに三菱も、4年ぶりの新型車となる「エクリプスクロス」や「アウトランダー」「パジェロ」、さらにはSUVミニバンと唯一無二の存在「デリカD:5」など魅力的なモデルを揃えています。
実用性や走破性の高さが高評価のSUVですが、トヨタ勝算のカギはボディサイズを網羅する以外に値段や多様化するニーズの囲い込みです。
現在のSUVラインナップについて、トヨタの販売店スタッフは「以前のようにSUVの代表車種が『ハリアー』や『ランドクルーザーシリーズ』しかない状態ですと、“少し小さめのサイズが欲しいというお客様”や“ミドルサイズがほしいけどハリアーより大人しめが希望”というニーズに応えるのが難しかったです。
恐らく他社の販売店でも同様の悩みがあると思いますが、いまのSUVラインナップではどのようなニーズを持っていても、ご提案できる車種が揃っているというのは心強いです。トヨタだけではないですが、各社ともにこの先もSUVブームは当分続くのだろうと予想しています」と話します。