超値上げ? トヨタ 新型「センチュリー」は先代の1.6倍に なぜむやみに高価格クルマが誕生するのか

最近は価格をむやみに高めたクルマが登場しています。6月に発売されたトヨタ「センチュリー」は先代型から約700万円以上も値上げされました。HVになったとしても上がり過ぎです。なぜここまで値上げされるのでしょうか。

新型センチュリーのベースは先代「LS600h」なのに大幅値上げ

 最近は価格をむやみに高めたクルマが登場しています。2018年6月22日に発売されたトヨタセンチュリーは1960万円に達します。先代型は1253万8286円だったので、約700万円以上も値上げされました。比率に換算すると、現行型の価格は先代型の約1.6倍です。

トヨタ 新型「センチュリー」

 現行センチュリーはV型8気筒5リッターのハイブリッドを搭載しますが、プラットフォームまで含めて、基本部分は先代レクサス「LS600h」と共通です。

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 一方、先代センチュリーは専用開発されたV型12気筒5リッターエンジンを搭載しており、これも高コストです。現行型がハイブリッドになって安全装備も充実させたとはいえ、約700万円以上も値上げするのは不自然でしょう。

 また7月20日に発売されたホンダ「クラリティPHEV」も、価格が588万600円に達します。リチウムイオン電池の総電力量は17kWhと多いですが、そこを考えても相当な高価格です。

 三菱「アウトランダーPHEV」の総電力量は12kWhにとどまりますが、前後輪をモーターで駆動する独自の4WDを搭載します。本革シートなども標準装着したアウトランダーPHEV・Gプレミアムパッケージが479万3040円なので、クラリティPHEVは100万円以上も高いです。

 ちなみにクラリティには、燃料電池車のフューエルセルも用意されています。これはリース車両ですから一概に比較できませんが、価格は767万2320円で、経済産業省の補助金額は208万円ですから、ユーザーの実質負担額は559万2320円です。

 クラリティPHEVの補助金額は20万円なので、実質負担額は568万600円になり、燃料電池車のクラリティフューエルセルよりも高くなってしまいます。

 なぜセンチュリーやクラリティPHEVは、価格が高いのでしょうか。センチュリーの開発者に尋ねると、「現行センチュリーは、ハイブリッドを搭載して安全装備も充実させました。機能がかなり向上しています。しかも月販目標台数(1か月の販売目標)が50台と少ないので、コスト低減を図りにくい事情もあります」と説明しました。

 開発者の言葉で注目すべきは、月販目標が50台にとどまることでしょう。先代センチュリーが1997年に発売された時の月販目標は200台でしたから、現行型の販売規模は25%と少ないです。

 しかもセンチュリーは国内専売なので、世界生産台数が1か月に50台と考えられます。そうなると先代型のように21年間にわたり生産しても1万2600台ですから、プリウスの国内販売に当てはめると1か月半程度の台数です。

 そしてセンチュリーは超絶的な高級車ですから、ハイブリッドシステムやプラットフォームを先代レクサスLS600hと共通化しても、開発と生産には多額のコストを費やします。これが1か月に50台、「生涯生産台数」も1万2600台にとどまると、量産効果はまったく利きません。その結果、価格を高めているのです。

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