スーパーフォーミュラのタイヤはなぜ1スペックのみ? 横浜ゴムが取り組む「速さ」と「環境性能」の両立とは
横浜ゴムとJRPによる「レーシングタイヤ勉強会」が富士スピードウェイで開かれ、スーパーフォーミュラに供給しているタイヤの開発についての紹介がありました。どのような取り組みが行われているのでしょうか。
「F1より速いコーナー」を支えるタイヤには高い要求
横浜ゴムと日本レースプロモーション(JRP)による「レーシングタイヤ勉強会」が2026年10月10日、富士スピードウェイ(静岡県小山町)で開催されました。
JRP会長の近藤真彦氏も登壇した勉強会から、スーパーフォーミュラ用のタイヤに関する最新事情をお伝えします。

横浜ゴムは、2016年からスーパーフォーミュラにタイヤを独占供給しており、近藤氏も同社の即応性を高く評価しています。
国内のモータースポーツにおける4輪トップカテゴリーといえば「スーパーフォーミュラ」です。スーパーフォーミュラは、市販車のような形ではなくF1のように純粋な競技マシンのスタイルをした車両によって競うレースです。
エンジンは排気量2.0リッターの4気筒ターボで550馬力ほどと、F1の約1000馬力に比べると少ないですが、車両重量がF1より軽いうえにF1をしのぐほどのダウンフォースがあります。
F1より速いといわれる同レースのコーナーにおいては、タイヤに高い要求基準があるといいます。それほどまでにコーナリング能力が高いとなると、タイヤに大きな負担がかかることは想像に難くありません。横浜ゴムは、その高い要求に耐え得るタイヤを供給しているというわけです。
スーパーフォーミュラ独特のタイヤ事情とは
レーシングカー用のタイヤといえば「速く走るためのタイヤ」というのは当然ですが、スーパーフォーミュラ用のタイヤに関してはそれだけではありません。たとえばタイヤが対応する路面温度域の幅広さです。
F1や日本のスーパーGTなどトップカテゴリーのレースとなれば「ソフト」「ミディアム」そして「ハード」と、同じレースにおいてもゴムの硬さを分けて特性が異なる数種類のタイヤを用意し状況に応じて使い分けるのが常識です。
しかし、スーパーフォーミュラ用のタイヤは、乾いた路面用のドライタイヤのほかに、ぬれた路面で使うウエットタイヤは用意しますが、基本的に年間を通じて1スペックのタイヤしか使用しません。

柔らかいタイヤと硬いタイヤでは、グリップ能力や耐摩耗性(タイヤの耐久性)が異なるため、一般的に路面温度とタイヤのゴムにはマッチングがあります。
路面温度が低いときは柔らかいゴム、逆に高いときは硬いゴムのタイヤと、路面温度によって最大のグリップ性能を引き出せる質(硬さ)のタイヤを選ぶのがセオリーです。
しかし、スーパーフォーミュラで使うタイヤは路面温度を問わず1タイプのみ。路面温度が15度前後と極めて低い冬のテストから、60度近くにもなる真夏のレースまで、同じタイヤでまかないます。
横浜ゴムは、タイヤの補強構造の特性を調整するなどして、路面や温度に応じた課題に対応しているそうです。












