トヨタが「最新の水素戦略」を欧州で発表! パワー2倍の「新FCシステム」投入から「ハイラックス」ラリー参戦まで水素モビリティを本格推進

トヨタは「IAA Transportation 2026」で、出力と耐久性を従来の2倍に高めた商用車向け「第3世代FCシステム」を発表しました。スカニアやイヴェコといった欧州大手との連携で大型トラックの実用化を加速させるほか、2027年には「ハイラックス」のFC車でダカール・ラリーへ参戦するなど、水素モビリティの普及を力強く推進します。

商用車向け「第3世代FCシステム」で性能と耐久性が大幅進化

 2026年9月14日、トヨタ・モーター・ヨーロッパは、ドイツで開催中の「IAA Transportation 2026」にて、最新の水素戦略を発表しました。

 商用車向けに開発された第3世代燃料電池(FC)システムの展開や、欧州の商用車大手メーカーとの提携強化が明らかになりました。さらに、2027年のダカール・ラリーに「ハイラックス」のFC車両で参戦することも発表されました。

 トヨタは、カーボンニュートラル実現に向けたマルチパスウェイ戦略において、水素を重要な柱として位置づけています。

 とくに長い航続距離や高い稼働率、積載能力、そして短い充填時間が求められる大型輸送の分野において、水素燃料電池技術は大きな強みを発揮します。

 今回発表されたトヨタの第3世代FCシステムは、過酷な商用車の要求に応えるために専用開発されたものです。従来のシステムと比較して、出力と耐久性がそれぞれ2倍に向上しているのが特徴です。

 さらに、燃料消費効率も20%改善され、大幅なコスト削減が図られています。

 これにより、排出ガスを一切出さないゼロエミッション車でありながら、既存のディーゼルトラックに匹敵するパフォーマンスと運用効率を提供できるようになります。

 トヨタは自社のシステムを普及させるために業界のトップメーカーと強力なパートナーシップを結んでいます。

 スカニアとの提携では、同社のパイロットパートナープログラムを通じて、40台の大型トラックに最新の300kW仕様の第3世代FCシステムを供給します。

 これらの車両は2027年の第1四半期に実証運行を開始する予定で、実際の長距離輸送におけるパフォーマンスや総所有コストについての貴重なデータを収集します。

 また、イタリアの商用車メーカー・イヴェコとは欧州連合(EU)の助成プロジェクトを通じて連携を深めています。トヨタが供給する300kWのFCシステムを搭載した新型トラック「IVECO S-eWay Fuel Cell」は、航続距離900km以上、2万5000時間以上の耐久性を目標に開発が進められています。

 2026年第4四半期から車両の検証をスタートし、2027年上半期には公道での実証試験が行われる計画です。

 加えて、ボルボ・グループやダイムラー・トラックなどが設立した燃料電池の合弁会社「セルセントリック」に、トヨタが平等な株主として参画することもすでに最終合意されており、大型商用車向けのFCシステムにおけるトヨタの存在感は欧州でますます高まっています。

トヨタが欧州で第3世代FCシステムを公開! 「ハイラックスFC」は2028年の発売を目指す
トヨタが欧州で第3世代FCシステムを公開! 「ハイラックスFC」は2028年の発売を目指す

 トヨタは過酷な環境下で技術を磨き上げるため、長年にわたりモータースポーツを通じた水素エンジンの開発を続けてきました。そして今回の発表では、2027年のダカール・ラリーにおける「Future Mission 1000」カテゴリーへ、FCシステムを搭載した「ハイラックス」で参戦する計画が明らかになりました。

 さらに、モータースポーツで得た知見を市販車に還元し、2028年には航続距離400km以上、最大2.5トンの牽引能力を備えた「ハイラックス Fuel Cell」の発売を目指していることも公表。商用トラックからピックアップトラックまで、水素モビリティの裾野を確実に広げようとしています。

 また、水素モビリティを真に普及させるためには、車両の開発だけでなくインフラの整備や政策の連携が不可欠です。

 トヨタ・モーター・ヨーロッパでR&D担当エグゼクティブ・バイス・プレジデントを務める安井慎一氏は、次のようにコメントしています。

「水素は、エネルギーのレジリエンスや過酷な運行ニーズが重視される持続可能なモビリティにおいて重要な役割を果たします。トヨタはFC技術や車両の開発にとどまらず、それらに燃料を供給するために必要なインフラの支援にも取り組んでいます。

 FC技術を進化させ、バリューチェーン全体のパートナーと協力することで、水素モビリティの普及拡大に必要なエコシステムの構築に貢献することを目指します」

 技術の進化とバリューチェーン全体の連携を通じて水素エコシステムの確立を目指すトヨタの次なる一手は、次世代のモビリティ社会の実現に向けた大きな原動力となりそうです。

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Writer: くるまのニュース編集部

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