米国LAマルホランドドライブとダートで実証! トライクってこんなにもスポーティで面白い!!「カンナム ライカー」試乗

免許はクルマ用でOK、経済性にも優れる

 少しずつ増えてきた3輪ビークルですが、左右の車輪の間隔が460mm未満は2輪車扱いとなる国際基準に日本も合わせ、ナイケンではオートバイの免許(排気量401cc以上なので大型自動二輪免許)、カンナム ライカーやスパイダーは4輪普通免許で乗ることができます。

Can-Am Ryker RALLY EDITION(ラリーエディション)

 クルマの免許で乗れるので、より多くの人が挑戦しやすい乗り物だと言えるでしょう。バイク経験がない人も、モーターサイクルツーリングでしか味わえない爽快な風や、仲間と走る歓び、ソロで旅する感動を体験できるのです。

 そして維持費が安いのも大きな魅力で、車検証上の登録は「側車付オートバイ」になるため、高速道路料金や税金、保険はバイクと同じ。車庫証明も要りません。

トライクでオフロード、これは新感覚スポーツだ!!

 ライカーの900ccモデルには「RALLY EDITION(ラリーエディション)」も設定され、強化ホイール(リア16→15インチ化)やハンドガード、スキッドプレート、ストロークのより長いサスペンションなどを備え、ダート走行をも可能としています。

ラリーエディションの走破性は、驚きの連続

 ギャップを容易く乗り越え、コーナーでは後輪が流れ、カウンターステアを当ててオフロードバイクのように曲がることができるではありませんか! 驚きの走破性です。

 前後サスペンションはスタンダードモデルではザックス製ですが、KYB HPGにグレードアップされ、ストロークはフロントが137mmから162mm、リアは150mmから175mmに。初期荷重ではしなやかに動き、奥ではしっかり踏ん張ってくれるのが、ダートあるいはワインディングを走り込むとよくわかります。

 トライクでこんなにもオフロードライディングをアグレシッブに楽しめるとは意外でした。これはカンナムが培ってきたATVの技術がフィードバックされているからこそだと言えます。カンナムのATVは、北米をはじめヨーロッパや豪州でも高いシェアを誇り、レーシングシーンにおいても大活躍しています。

 そのため、スポーツライディングやオフロードといった高いマシン性能が求められるシーンでこそ、カンナムの実力は発揮されると言っても過言ではないです。

 ライカーの走りのポテンシャルは、“本格派”と呼ぶに相応しいものでした。また日本の峠道やダートを走らせるのが、楽しみで仕方ありません。

【了】

“本格派”なトライクバイク「カンナム ライカー」の画像を見る(15枚)

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Writer: 青木タカオ(モーターサイクルジャーナリスト)

バイク専門誌編集部員を経て、二輪ジャーナリストに転身。自らのモトクロスレース活動や、多くの専門誌への試乗インプレッション寄稿で得た経験をもとにした独自の視点とともに、ビギナーの目線に絶えず立ち返ってわかりやすく解説。休日にバイクを楽しむ等身大のライダーそのものの感覚が幅広く支持され、現在多数のバイク専門誌、一般総合誌、WEBメディアで執筆中。バイク技術関連著書もある。

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