三菱が新型「パジェロ」を世界初公開! 国内7年ぶり復活の裏に“SUV市場の大変化” なぜ今「本格クロカン」なのか
三菱自動車は、新型クロスカントリーSUV「パジェロ」を世界初公開しました。大ヒットした初代・2代目で名を馳せたパジェロでしたが、その後は販売不振から国内では2019年に終売しています。なぜ、一度終売したモデルが復活したのでしょうか。初代の登場から現在に至るまでの栄枯盛衰を振り返るとともに、復活に至った経緯を自動車ジャーナリストの渡辺陽一郎氏が紹介します。
台頭する“シティ派SUV”からの原点回帰が復活のキーに
しかしこの後、SUVの人気は一層高まり、国内で新車として売られる小型/普通乗用車の30〜40%を占めるようになりました。
車種も増えて、パジェロが国内仕様の生産を終えた2019年以降に、トヨタはヤリスクロスやカローラクロスを発売し、「クラウン」はSUVを中心にシリーズ化されました。
日産は「キックス」、ホンダは「ZR-V」や「WR-V」、マツダは「CX-60」や「CX-80」を新規投入しています。
これらはすべて乗用車系のプラットフォームを使う“シティ派SUV”で、このタイプが急増した結果、ユーザーに原点回帰の傾向が見られ始めました。
日常的に使いにくく、一度は人気を衰退させた悪路向けSUVが、再び注目されるようになったのです。

この人気動向の変化により、ランドクルーザーの「250」や「300」は生産が受注に追い付かず、納期を数年に遅延させて受注を停止しました。
スズキ「ジムニー/ジムニーシエラ」も納期が1年から2年に長引き、5ドアボディの「ジムニーノマド」は受注開始から4日後に販売活動を中止しました。
輸入車でも悪路向けSUVのジープ「ラングラー」やメルセデス・ベンツ「Gクラス」が好調に売れています。
この市場の変化に対応して、三菱は改めて悪路向けのクロスカントリーSUVを計画しました。
2024年に先立って発売されたピックアップトラックの三菱「トライトン」は、耐久性の優れたラダー(ハシゴ型)フレームを備えたトラックですが、センターデフ式4WDと悪路で駆動力を高める副変速機を組み合わせた「スーパーセレクト4WD-II」、四輪の駆動力制御を綿密に行う「S-AWC」も備えています。
これらの機能を活用して、三菱は改めて本格的な悪路向けクロスカントリーSUVの開発に着手したのです。新型パジェロの商品化は、トライトンの存在で可能になりました。
新型悪路向けクロスカントリーSUVの開発を開始した段階では、車名は未定でしたが、ユーザーの受け止め方を考えるとパジェロの復活とするのは当然でしょう。
以上のようにパジェロの廃止と新型の復活には、SUV市場の変化と三菱の置かれた状況、トライトンの商品化などが影響を与えています。
そして一度廃止した車種を復活させることは、メーカーや販売会社として、相当な勇気を必要とします。
失敗すれば、「やはり廃止した車種の復活は無理だった」という話になり、開発費用の損害も被り、二度と同じカテゴリーの車種を開発できないためです。
つまり新型パジェロの商品化は、三菱として、失敗の許されない重要なチャレンジでした。そのために渾身のクルマ造りを行い、三菱ブランドをけん引する新たなフラッグシップモデルとして登場を果たすことになりました。





































































































