「アクセス悪すぎ!」と文句を言う前に知って欲しい「運転免許センター」が不便な場所に建てられる“納得の事情”とは!
各都道府県に設けられている「運転免許センター」は、なぜ駅から離れた郊外など「不便な立地」に位置しているのでしょうか。
「運転免許センター」なぜ不便な場所に建てられる?
クルマを運転する人であれば、免許の取得や定期的な更新手続きのために一度は足を運ぶことになるのが「運転免許センター」です。
各都道府県に設けられているこの施設ですが、実際に訪れた際に「なぜこんなに駅から遠く、アクセスが悪い場所にあるのだろうか」と疑問を抱いた経験を持つ人は少なくないはず。
電車やバスを乗り継がなければたどり着けなかったり、最寄り駅から延々と歩かされたりと、利便性の高い市街地や駅前に位置しているケースはごく稀です。
一見すると利用者を困らせているようにも思えるこの不便な立地には、実は施設が抱える特殊な事情と明確な理由が隠されています。
最大の理由は、業務を遂行するうえで絶対的に必要となる「広大な敷地面積」です。
運転免許センターは単なる窓口業務を行うだけの施設ではありません。
施設内には、実際に車両を走らせて技能試験を行うための大規模な走行コースが併設されています。
このコースには、直線道路だけでなく、S字カーブやクランク、坂道発進用の傾斜、さらには踏切や信号機といった実際の交通環境を模した設備が網羅されていなければなりません。
加えて、毎日何千人という規模で訪れる利用者のための巨大な駐車場や、多数の窓口、講習室を備えた巨大な庁舎も必要となります。
これほどまでに広大な土地を地価の高い都心部や駅前で確保することは、予算の面でも用地買収の面でも極めて非現実的であり、結果としてまとまった土地が確保しやすい郊外や街はずれが選ばれることになります。

二つ目の理由として挙げられるのが、周辺環境への配慮、とりわけ「交通渋滞と騒音問題の回避」です。
運転免許センターには連日、免許更新や試験のために膨大な数の人々が訪れます。
もし仮にこの施設が交通量の多い市街地の中心部にあった場合、施設に出入りする大量の車両や送迎の車によって、周辺道路は慢性的な大渋滞を引き起こすことになります。
また、敷地内の試験コースからは一日中、教習車両のエンジン音やブレーキ音、さらには場内に響き渡る案内放送などの騒音が発生します。
これらの騒音や排気ガスによる影響を最小限に抑え、近隣住民の生活環境を守るためには、住宅地や商業地からある程度離れた場所に建設せざるを得ないという事情があります。
さらに、歴史的な背景も立地に影響を与えています。
現在ある運転免許センターの多くは、昭和の高度経済成長期からモータリゼーションの進展に伴って整備されました。
当時はまだ開発が進んでいなかった広大な未利用地や、埋立地、旧軍用地の跡地などを転用して建設されたケースが多数存在します。
建設された当初は周囲に何もない場所であったにもかかわらず、その後の都市開発によって周辺に住宅地が形成され、結果的に「街はずれにある巨大施設」として定着してしまったという歴史的な経緯を持つ施設も少なくありません。
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このように、運転免許センターが交通アクセスの悪い不便な場所に位置しているのには、広大な土地の確保、周辺地域への環境負荷の軽減、そして歴史的な成り立ちという複合的な要因が絡み合っています。
利用する側からすれば移動の手間がかかり、決して便利とは言えない場所にあるかもしれませんが、安全な交通社会を維持するための試験や講習を円滑に、かつ地域社会に迷惑をかけることなく実施するためには、現在の郊外という立地が最も理にかなった選択になるのです。
Writer: くるまのニュース編集部
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