霧でもないのにフォグランプ点灯は迷惑?違反? なぜ晴天夜間も点灯する人が多いのか

フォグ点灯、気づいているのか…?

 ひとつには、運転者自身がフォグランプONになっていることに気づいていないケースが考えられるでしょう。フォグランプは昼間は点灯しませんが、スイッチをONにしていればスモールランプと連動します。もちろん、フォグランプの点灯状態は運転者に表示されてはいるものの、フォグランプのスイッチをONにしたまま、ランプスイッチを「オート」にしていれば、暗くなったら自動的にフォグランプも点灯するわけです。

 もうひとつは、単純にフォグランプを付けていたほうが明るいから、という理由が考えられます。ヘッドランプは前方を照らしますが、フォグランプはかんたんにいうと、低い位置をワイドに照らします。フォグランプの点灯に気づいたとしても、いざ消してみると、死角になる自車に近い部分が見えづらいため、あえて点灯させている人もいるでしょう。

ライトスイッチの根本のほうにフォグランプのスイッチがある。写真はイメージ

 以前、フォグランプの明るさは1万カンデラ(カンデラは光量の単位)以下とされていましたが、2005(平成17)にその基準が撤廃され、LEDなどを用いた明るいフォグランプが増えています。市街地であれば街灯が明るいこともあり、前照灯を点灯せずフォグランプだけでも十分、と考える人もいるかもしれません。実際にそのようなクルマも見かけることがあります。

 警察庁によると、夜間走行時は前照灯の点灯が必要であり、フォグランプのみの走行は無灯火違反として指導取締りの対象となるとのこと。しかし、ほかの車両との行き違い時、あるいは前車の直後を進行する際、ほかの交通を妨げる恐れのある場合は、前照灯を消してスモールランプとフォグランプを点灯して走行しても、違反にはならないそうです。

 ちなみに、リアに赤色のリアフォグランプ(後部霧灯)を装着しているクルマもあります。こちらも、濃霧などの際に自車の位置を後続車に知らせるための補助灯火ですが、晴天夜間の点灯はフロントのフォグランプ以上にまぶしいとの批判も。

 リアフォグランプは、フロントのフォグランプと同様、前照灯またはスモールランプが点灯している場合にのみ点灯し、かつ独立してON/OFFが可能な構造であることが求められます。このほか、エンジン停止状態でONにしたまま運転席の扉を開けたとき、アラームによって知らせることなど、リアフォグランプはフロント以上に不必要な点灯を防止する基準が規定されています。

【了】

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