インディアン新型「FTR1200/1200S」登場 米国のエンジニアが語る開発経緯とは?
本国のデザイナーが語る「FTR1200/1200S」の開発経緯とは?
その仕様を見てもトレリス・フレームに収納された1203ccのVツイン・エンジンは約120馬力のスペックを発揮し、上級モデルともいえる“FTR1200S”ではリーンアングル(車体の傾き)やウィリー軽減制御、トラクションコントロールを備え、3つのライドモード(スポーツ、スタンダード、レイン)がスイッチひとつで切替え可能とのこと。
また、インディアンのリッチ・クリストフ氏は「サスペンションやリアタイヤを可動させるスイングアームもFTR750に準じたデザインとし、軽快なハンドリングと乗り心地を重視したライディングポジションを実現しました」と語ります。
レースバイクの「FTR750」とフランスの「Wheels & Waves festival 」で発表されたプロトタイプ「FTR1200 Custom」の設計も手掛けた同氏によると、ストリートバージョンである「FTR1200」では、前述の2モデルのデザインを如何に踏襲するかが、最大のこだわりであったと言います。
「私たちが今回のニューモデルで最もこだわった点は、FTR750/1200カスタムと同じラインとフォームを確実に実現することでした。私たちは世界中のライダーが先に発表されFTR カスタムの前で恋に落ちたことを知っていました。
私はFTR750がストリートバイクに姿を変え、それがインディアンを新しい時代に導く手助けをしてくれることを確信すると共に、非常に誇りに思います。これらのバイクは、外観通りの性能を発揮できるよう、多年にわたる厳しい設計とテストプロセスを経てきました。
このプロセスは、様々なライディング状況を考慮した、100万マイル以上に及ぶ非常にタフなものです。レースに勝利したレッキング・クルーのフラットトラックチームや元グランプリのレーサー達からもインプットを得て、更にまた、数万マイルを公道テストで刻み、データを蓄積しました。
このプラットフォームは、真のフラット・トラッカー・スタイルと、それをバックアップする高性能を備えた新たなアメリカのバイクを提供します」。
また、インディアン・ブランドを運営する親会社であるポラリス・インダストリーズ・インターナショナルの代表マイク・ドーティー氏も「参入当初より、我々はインディアン・モーターサイクルを世界的なブランドに成長させることを目的として来ました。
この強力な基礎を武器に、アメリカンモーターサイクル・メーカーにとって新しい時代を切り拓く時が来ました。FTR 1200はまさにその始まりです」と語りますが、確かに、この新たなアメリカン・モーターサイクル「FTR1200」は新時代の幕開けと呼べるものかもしれません。
【了】
Writer: 渡辺まこと
ハーレーや国産バイクなど、様々な車両をベースにアメリカン・テイストのカスタムを施した「CHOPPER」(チョッパー)をメインに扱う雑誌「CHOPPER Journal」(チョッパージャーナル)編集長。カスタム車に限らず、幅広いバイクに対して深い知識を持つベテラン編集者。